ついに最終巻、さらに深く森の奥へ。
この作品が持っている雰囲気は、
映画や音楽のコンサートのような、流れるような物語。
多くの謎がふわふわと浮遊しながら、
一つ一つの問題を置き去りにして、なおかつ複雑に関係して進みます。
メインの物語はやはり「青豆」と「天吾」の恋愛です。
総まとめコンテンツ:
スポーツインストラクターの「青豆」は
裏の顔があった。
殺し屋として、虐待されている女性を救うため
男を殺す。
彼女にとってそれが今を生きる目的になっているかのように。
家族が熱狂する宗教から逃れるため絶縁し、
孤独に生きてきた彼女にとっては
年上の男性との夜遊びと
ひそかに恋心を寄せる小学生の頃の思い出しか無かったから。
予備校の教師として働き、作家を目指す「天吾」は
わけあって少女が書いた小説「空気さなぎ」の
リライトをすることになった。
圧倒的な世界観と
不思議な少女の魅力に引き込まれてしまう。
母親に捨てられ、母親の不倫相手の幻惑に
今でも悩まされる彼は、
自らも不倫をして気を紛らわせている。
彼もまた父親との確執により孤独な傷を抱えていたのだ。
そして膨れ上がった欲望の結末。