模試の結果の受け入れ方、難しいですね。今回は、模試との上手な向き合い方を考えていきます。
中学受験の過程で、模試は避けて通れない重要な存在です。現在の実力を知る指標であり、志望校との距離を測る手がかりでもあります。しかし、この模試が親子にとって大きなストレス源にもなりがちです。
「偏差値が下がった」「順位が落ちた」「クラスが下がった」「志望校の判定が低かった」―そんな結果に一喜一憂して、家庭の空気が重くなる…。そのような経験、ありませんか?
結論から言えば、模試の結果は過去のある瞬間の“参考資料”であって、未来の“結果予想”ではないわけです。
■ 偏差値は「変動する」のが当たり前
ご存知のように、偏差値は、母集団(受験した生徒たち)の中での相対的な位置を示すものです。本人の体調によっても点数、そして偏差値は変動し、そのときの問題の相性によって大きくブレることもあります。
そもそも模試は、「本番のシミュレーション」ではありますが、「本番そのもの」ではありません。一回一回の結果に一喜一憂しても、学力は伸びません。結果を喜ぶことはまだ良いと思いますが、悔しがったり、悲しんでいても、その後の結果は変わってきません。私はよく子どもたちに、「悔しがるだけで成績上がるなら、いっしょにたくさん悔しがるよ」と話をします。
■ 「点数」よりも「原因」に目を向ける
模試の活用法で最も大切なのは、「なぜこの結果になったのか」を分析することです。たとえば、得点が低かったときに、
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問題の読み間違いだったのか
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知識不足だったのか
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時間配分に失敗したのか
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ケアレスミスだったのか
…といった原因を洗い出すことで、次に向けた具体的な対策が立てられます。
模試は、弱点をあぶり出す「発見のツール」です。たとえ点数が振るわなかったとしても、それを丁寧に分析すれば、大きな学びになります。
■ 成績が良かったときこそ“油断禁物”
逆に、良い成績が出たときには注意が必要ですね。「このまま行ける!」と安心して努力を緩めてしまうと、次回大きく崩れることがあります。模試はあくまで途中経過にすぎないと肝に銘じ、良い結果のときこそ「次にどうつなげるか」を考える姿勢が大切です。そして、「勝って兜の緒を締めよ」の姿勢以上に、実は良かったときほど、その原因を追求することは有効です。その「成功体験」を具体的に分析するからこそ、シンプルな学びがあるはずです。これは「部分的に良かった」場合でも同じことが言えます。
■ 親の反応が子どもに与える影響は大きい
模試の成績に対して、親が強く反応すると、子どもは「怒られる」「がっかりされる」と感じてしまいます。逆に、親が落ち着いて「よし、ここが課題だね」と受け止めると、子どもも冷静に振り返ることができます。
模試の直後は、“結果”ではなく“努力のプロセス”を認める言葉をかけることが大切です。
「最後まで解こうとしていたね」「復習してみたら解けたね」―そんな声がけが、子どもに自信を与えます。
■ “模試の判定”と“本番の合否”は一致しない
実際、模試で低い判定が続いていた子が本番で合格するケースは多くあります。反対に、高い判定を取っていたのに、本番で緊張して力を出し切れなかったという例もあります。
大切なのは、模試の成績が「その瞬間の結果」を示すものであり、「未来」を決めるものではないということです。判定はあくまで目安です。それをどのように受け止めて、本番につなげていくかを考えていくべきです。
模試の結果に振り回されず、「次へのヒント」として活かすこと。それが本当に、模試を“味方”につける方法です。
点数よりも、努力の過程を信じ、点数という過去をどのように踏み台にできるかを考えていきましょう。