第7回のテーマは「過去問」です。過去問の取り組み方に関しては、塾単位だけではなく、先生によっても、科目によっても考え方は様々です。1つの意見として取り組むタイミングを決めるきっかけにしていただければ、と思います。
受験において、「過去問」は最も重要な教材のひとつです。志望校の出題傾向や難易度、時間配分の感覚を知るには、これ以上の素材はありません。しかし、過去問を「いつから」「どのように」使うかは、受験の成否を分ける重要なポイントです。
多くのご家庭が、「そろそろやらなきゃ」と焦って過去問に取り組み始めますが、早く取り組み始めるメリットとデメリットを理解しておく必要があります。
■ 早すぎると自信を失うリスク
6年生の前半、まだ基礎学力が十分に固まっていない段階で過去問に手を出すと、点数が取れずに子どもが落ち込みます。「全然歯が立たない…」「こんなに難しいのか…」というネガティブな印象がついてしまうと、やる気を損ねるだけでなく、志望校へのモチベーションさえ失われかねません。
■ 遅すぎると対策が間に合わない
一方で、遅くなってしまうとただ問題をこなすだけで、見直しもできずやりっぱなしになってしまったり、目標の回数(何年分取り組むかは、様々な考え方があります)をこなせないことになってしまったりします。また、傾向分析や戦略づくりに時間が足りなくなります。
■ 理想的な開始時期は「6年生の夏以降」
夏休み明け(9月頃)から、本格的に過去問演習を始めるのが一般的です。できれば、5年〜6年前にさかのぼり、徐々に直近のものに取り組むことができると良い意味での緊張感も増すのではないかと思います。取り組み始めはまず問題に慣れることから。そして、出題傾向や難易度を確かめ、だんだん得点力の具体的な上げ方を考えていきます。そのためにも時間配分を戦略的に考えることは重要です。
■ 「得点」よりも「分析」が目的
過去問をやると、どうしても「何点取れたか」が気になります。しかし、過去問の本質は“分析”にあります。どの単元で得点できたか、どこで時間をロスしたか、どんなミスが出やすいか――それらを親子で振り返り、「次にどう生かすか」を考えることが重要です。
また、毎回100点を目指す必要はありません。実際の合格ラインは学校ごとに異なりますし、採点基準も明確ではない場合が多いので、採点の結果はあくまでも参考にすべき情報です。それよりも「あと1問正解するためには…」と得点を積み上げる意識を持てるようにする必要があります。
■ 親がサポートするポイント
過去問演習は、子どもだけに任せるのではなく、親が“伴走者”として支えることができると理想的です。解いた直後に一緒に解き直しをしたり、間違えた問題をどうすれば解けたのかを一緒に考えたりすることで、客観的な見方が加わることで理解が深まることが期待できます。
■ 併願校の過去問にも要注意
第一志望の学校が気になるのは事実ですが、併願校の入試の傾向も過去問を通して確認することができると併願作戦もより具体的なものになります。学校ごと科目ごとにそれぞれ入試問題の傾向は様々です。直前期の急な対策では対応しきれないことがあります。
過去問は、「戦略」と「自信」をつくるための重要なツールです。正しいタイミングと使い方を意識することで、過去問演習は合格への道筋を照らしてくれます。
過去問を“味方”につけていきたいですね。