(画像切れててごめんなさい、

 

「とりとめのない2人でいたい。」のコピーが秀逸。)

 

後だしの愛だし ボーイズドレッシング♯06

作・演出/ベロ・シモンズ 盛岡劇場タウンホール

11/20(土)19:00 21日(日) 14:00 18:00

23日(火・祝)14:00 上演予定時間120分 2幕

 

 

 

チラシの裏面の主人公かなえ→ママの手紙がすごくおもしろくて、この子どんなヤバい恋をしているんだろうと思わせてくれたので、もちろん、ボーイズドレッシングというだけで韃靼人の矢より速く予約を入れる私ですが、観劇後に宣伝美術と映像の土川さんに、予約1番乗りだったと教えられて(たしかに予約開始日開始時間を待ち構えていました)、喜びながらも、ボイドレもっと来るハズ!と謎の義憤に駆られていた私でした。

18歳の勤労青少年の息子が8歳で初めて見たお芝居がベロ・シモンズ(当時はマーブル局だった)さんの「八時の芝居小屋 ガントリーGG」だった。当時は多動で薬はもちろん服んでいたんだけど、夕方になれば薬効は切れるので、どうしようかな~と思っていたんだけど、最後まで食い入るように見ていたのが驚きだった。そこから息子は演劇や映画だと集中力が切れずに最後まで見ていられるというのがわかって一緒に観劇するようになったんですが、

 

いまにいたるも息子のイチオシはベロ・シモンズさんで、ほとんど崇拝に近い感情のようだ。

 

明るく元気いっぱいの(芸人さんだし)かなえ(佐藤玲香)がライブを終えて、気になっている会場のスタッフさんと会話するところから物語は始まる。マーガリンバターといういきつけのBARのマスター悠民(川村英)はフランス軍の傭兵がえりのちょっと色っぽいしなやかな男で、常連のお姉さんマキ(芦澤志帆子)はマスターとなにかあるらしいけれど綺麗で元気よくて、ふたりともリアリティがあった。実際に傭兵なんて見たこともないのにああフランス帰りだから洒脱な雰囲気なんだなあと納得する。

 

上手にマーガリンバターやライブ会場の受付にもなるカウンターがあり、

 

真ん中あたりにベッドがあって風俗店の1室やかなえが恋している晴多(榊原明徳)の部屋にもなっている。

 

舞台美術が洗練されていて、壁面にいくつかの和紙でちりめんのような表情を出したブロックが貼り付けてあって、実際にはそこにはないのに大きく伸びた樹木の影が映し出されていた。あとはシンプルな机と椅子が数脚。この机と椅子はかなえがアルバイトをしている「憎きアイツ」というメニューがいちいち肉肉しい居酒屋にもなったりする。

 

場面の転換に、やや上の方にある長方形の四角いスクリーンに「マーガリンバター」とか「憎きアイツ」と映しだされ、店の看板にもなっているし、やっぱりそのとぼけた昭和のネーミングににやにやしてしまう。

 

暗い・明るいで言えばたぶん人が死ぬし逮捕されるし殺人も自殺も変態性欲もあるし、暗いのかもしれないけれど、

晴多とわけあり物件を紹介した不動産屋の櫻井が「憎きアイツ」で妙に気が合ってしゃべりつづける場面とか、

「マーガリンバター」でマスターとマキとかなえが冗談を言い合ってカラオケするところとか、楽しい場面もたくさんあって、

 

物語のダークな面であるはずの晴多の風俗店での行為でさえ、風俗嬢ちさのあっけらかんとして知的でキッパリしている性格や彼女を密かに(いやけっこうダダモレ)で愛しちゃっている店の男大渡のべつにギャクを言うわけでもないのにその強引さや性急さがやはり可笑しかったりして、時折現れる、ひたむきな綺麗な目の少女(最初は晴多が最初に愛した少女の幽霊なのかなとか思って勘違いして見ていた)のモノローグの意味もだんだん分かってきて、

 

かなえと晴多のラストシーンは涙があふれそうで、泣いたら見えなくなるので気合でひっこめて、すべてわかってるけど、でもこのラストシーンを書き加えてくれてありがとう、と思った。疾走する男。初台・笹塚・新宿。改札。滑り込む電車・新宿バスタ。わけアリの過去を抱えて闇の中に生きているような男。いつも真ん丸な顔で元気よく笑っているけど、笑いながら泣いてもいそうな女の子。ふたりのラストシーンに純粋にここですべての闇を忘れていた。

 

演出もすばらしかった。

えっ、ここ盛岡劇場タウンホール?と思うくらい、洒落ていて、椅子とテーブルを使ったあの物語の中ではあそびの部分が印象にのこっている。

 

脚本を販売していて(最近脚本を販売してくれる劇団がふえて、喜んでいます。プリントとか製本は大変だと思うけどありがたい)もちろん迷うことなく買って読み、ベロ・シモンズさんの脚本は活字のことはわかるけど演劇がよくわかっていない自分にもすんなり読める、ということはすごく文章もセリフも上手いんだなとあらためて思った。

 

最後に今回の晴多役は榊原明徳さんの最高のはまり役だったと思う。いちばん前の席で見て(けっこうギリギリに入ったのに一番前の真ん中がぽつんと空いていたのだ)よかった。榊原さんの眼はすごくいい。演技力とか滑舌とか姿勢とかもうどうでもよくて、こういう眼じゃなくちゃダメなんだ、と強く思った。榊原さんの眼だけ映画的にクローズアップで2秒だけ見たいくらい。

 

2時間強の物語だけれど、長いとは思わなかった。

 

きょうのラストステージに間に合う方はぜひ。

 

再演は難しいかもしれないけれど、この舞台はいつかべつの形でもいいから再演してほしいと強く思いました。あっ、DVDが出たらもちろん買います。

 

ではでは♪


 

 

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