きのうは岩手県立美術館「フランス・モダン・ポスター展」の最終日。
途中、岩手県独自の緊急事態宣言で休館があったこともあり、
まさか地元の美術館の企画展に会期ラストに行くことになろうとは…。
なんか負けた気がするわ。
そしてまさかの図録完売。だったか品切れだったので、おなじみ密林書店で
送料はかかるけど京都の書店で最後の1冊というのを注文しました。
思っていた以上にボリュームがある展示で、ベル・エポックの胸とヒップを強調し、コルセットで細く締め上げたウエストや裾の長いドレスで自転車に乗る女性のポスターを見るにつけ、女性をコルセットから解放し、当時はスキャンダルだったズボンスタイルで乗馬をこなしたココ・シャネルを思い出しました。
ココ・シャネルは1883年生まれの獅子座。ベル・エポックは19世紀の終わりから第一次世界大戦前までということで、ココが女子修道院で縫製を習い、お針子からやがて帽子デザイナーになっていったあたりでしょうか。
1890年までのポスターと1920年以降のポスターにはあきらかな違いがあり、1890年ごろのポスターは華やかで装飾的、女性は曲線的なコスチュームに身を包み、画面も赤や黄色、オレンジなど目を引く色彩です。1920年ごろのポスターはというとこれがモダン、時に黒っぽい。登場人物たちもなにか犯罪的だったり悪女っぽい女性だったり。日本の「新青年」という雑誌の表紙やイラストを連想しました。
ファッションと芸術と商業ポスターはべつべつに変化しているわけではなく、社会の動きや新しい発明や文化と連動して変わっているんだなあと思ったのですが、知識が浅いのでこうだからこうで!と言えない。
アール・ヌーヴォーとアール・デコの違いかなあ、ところでベル・エポックってアール・ヌーヴォーの前なの後なの、と次々疑問が湧いてきて、
これは図録で解説を見たいなあと思って図録を買おうと思ったわけです。
ポスターのカリグラフィーもおもしろくて、カリグラフィーを習っているひとだったらきっともっといろんなことを考えられたんじゃないかなあと思いました
『横尾忠則展 GENNKYO』のグッズで大量に買い込んだのはノートでした。
ポスターを見ながら閃いたことを次々とメモりました。
照明の宣伝ポスターもあり、ガスのランプのポスターがわれらが萬鐵五郎の
「風船をもつ女」の表現に似ていて、これは並べてみたいと思いました。
その後、コロナ禍で休館がつづいていたことから会期延長で、
10月3日までになっていた「宮西達也の世界 ミラクルワールド絵本展」へ。
萬鉄五郎記念美術館は絵本の原画展示も多く、今回は人気絵本作家の展覧会で、最終日の日曜日、
ということでびっくりするほど多くの人がつめかけていました。グッズコーナーが特に人が多いようだなあと思ったら、
サイン会が催されていました。知らなかったのでびっくり。
これは息子が先週土沢に来た時に銀行に貼ってあったポスターを目にして行きたいと言ったのできたわけですが、
息子の幼い頃ずいぶんたくさんの恐竜とウルトラマンの絵本を読んだなあと思っていましたが、作品タイトルはもっと膨大でした。
蔵の方でフォトスペースがつくってあって、隅々まで楽しめる仕掛けでした。
すべての撮影OKだったのですが、特に目を引いたのがこのフィギュア。
絵本の中のキャラクターが大きなガラスケースの中にところせましとアレンジされていました。
そしてそろそろ移動しようと思った頃、宮西先生が絵をかいているところを
見られますというコール。貴重な展覧会で、来てよかったです。
その後、やはりきょうまでだったプリン展atいちびっとへ。
土沢でのプリン展は今回が3回目。
ところで私はこのプリン展のポスターにわれらが萬鐵五郎の
「丘のみち」を連想するのですがどうでしょう。

「丘のみち」は萬鉄五郎記念美術館所蔵ですが、この絵を思い出すために「かなきり声の風景」を検索したところ、

川上弘美さんの短編集があがってきたので、これも
なにかの縁なので近々読もうと思いました。
じつは先週いちびっとでお姿をお見掛けしていた菅沼綠さんの
個展へ。
菅沼綠展
10月1日~10月24日まで。月火休廊
11時30分~18時30分
インプレクサスギャラリー
夕方になって外が暗くなっていたこともあり、ガラス越しの展示がパッと目をひきつけます。
ギャラリーの企画展スペース(勝手に命名)の反対側の常設展スペース(これも勝手に命名)には
ペイントされていない、少し前の作品がありそちらも興味深かったです
私は父が大工だったし祖父も板金工ということで、家に廃材がつねにあるのを
当然のように思っていたし、廃材から物置やガレージが出来上がるのもいつものことで、
つい、これは知り合いの大工さんからもらった廃材から作られたのだろうか、
と思ったのですが、廃材ではなく、ベニヤ屋さんの端材でした。
世界中のいろんなベニヤの端材が組み合わされている作品なのです。


















