こんにちは。
2,3日前に「岩手県立美術館友の会通信」を同じボランティア仲間でもあり、
お客様でもあるFさんに届けていただきまして、
 
今回自分も載せてもらったからなのですが、それはさておき、
 
 
「特集 没後20年 松田松雄」に関連して学芸員の根本亮子さん
が松田さんの額縁への美意識について書いていらして、
 
額縁好きの私としたことがノーチェックだった!と無性に悔しくなり(なぜ!)、
 
 
きのうはいろいろギリギリだったのですが、2回目の「足立美術館展」を見た後2階常設展へ走りましたよね。
 
 
 
 
あらためて額縁に注目してみると、非常に神経の行き届いた、作品の世界を壊さず一体化している額であるように思えました。
しかも額だけ見てもきれいだった。全然ジャンルは違いますが、陶芸家のルーシー・リーのうつわを連想しました。
上の「列」(19969)と下の「風景(母子)」(1979)は東日本大震災で津波被害を受けた陸前高田市博物館所蔵作品で、東京藝術大学の保存修復油画研究室によって修復が行われ、額縁も修復時に新調されたとのことです。
 
 
 
「足立美術館展」で、好きな「唐犬図」を見て、神戸で戦災に遭ったL字型の修復跡を見てきたせいもあり、額縁とその修復跡に目が行きました。目立たないようになってはいるのですが、修復に気づく目ができたのかもしれません。

 

 
「風景(連れ)」(1969)

 

 
「風景(人)」(1968)の入れ子になったような黒とシルバーの額。
松田さんは金や黒、銀、白といった、有彩色ではない色、色とは言えない色が好みだったのでしょうか。

 

 
「風景(家族-3)」(1979)

 

 
「風景(家族)」(1976)の額縁は仮縁を加工して一部を黒塗りした手作りで、デザインの
考案に松田さんも関わっていたそうです。

 

 

 
「一方、入り口近くの「風景(母子)」(1980)につかった既製品の額は
金色の入れ子(内側の縁)が木尾に入らず、のちに同じタイプの額を使った時には
入れ子代わりに黒いマットをはさむようにしたそうです」(記事からの引用)

 

そして残念な美意識の私にはその違いがどこにあるのか、どうだったらよかったのか、
絵を、いや額を見つめたまま考え込んでしまいました。
 
わからない。
 
わからないからいいのです。わかりたいと思えるから。
 
コレクション展1期は7月18日(日)まで。