こんにちはー。
あきらめていた「コレクター福富太郎の眼」、来秋巡回展のラストラン(という言葉を最近覚えて遣いたい。使うとこ間違ってる気はするけど、そう、でもいい)がわれらが岩手県立美術館と知っても、それでも東京ステーションギャラリーで見たい。まず見たい。早く見たい。
図録は自宅に送ってしまいましたが、
 
監修が山下裕二先生で、1枚見るたびに心の中で「きゃー!」と喜んでいました。東京近代美術館の「あやしい絵」展でも御職を張っていた、北野恒富の「道行」。
 
もちろん、鏑木清方の「妖魚」もあり、展示の高さが絶妙でした。
 
日本画はほとんどが壁に展示してあり、保護のためのパネル越しとはいえ、ごく近くで見られるようになっていて、こんな名品をこんな近くでじっくり(日時指定制というのと時間的に早かったので)見られるなんて、なんて贅沢なんだろうと思いました。
 
このあともう1つか2つ美術展を見て回る予定だったのですが、あにはからんや、iPhone修理でこの日は夕方までうろうろして終了。ふはっ。
翌日、仕事の前に日時指定で予約した「鳥獣戯画展」へ。
 
会期延長グッジョブですし、展示も動く歩道もキャプションも、壁面に映し出されるキャラクターたちも、すべてが愛しくて楽しく貴重な体験でした。なお音声ガイドが山寺宏一だったのも特筆すべきことでありましょう。まさかここで加持さんと再会できるとは…。音声ガイドには「鳥獣戯画」の画像やキャラのうさぎさんが登場するなど、こちらも楽しいものでした。日時指定とはいえ、やはり空いているというほどではないのですが、会場スタッフの方々が細やかに目を配っていました。
平安時代~鎌倉時代に描かれ保存されてきた巻物がこんなに生き生きとした戯画化された動物や人々を残していたとは。
よくマンガの源流は「鳥獣戯画」にあった、という言説を見聞きしますが、そのほんとうの意味は分かってなかった気がします。なんて生き生きと躍動擬人化されていない獏や犀など当時の日本にはいなかった空想上の動物。
とにかく線がすばらしく、見られてよかった!と終始感激しっぱなしです。感謝の気持ちを何に表したらいいのかわからないくらい。とりあえずネット通販とは桁違いの豊饒のグッズを買いこんできました。もちろん図録も。

 
澁澤龍彦の文章の中でだけ知っていた明恵上人についても今回はじめて立体的に知ることができました。「龍子」(タツノオトシゴ)の展示もあり、澁澤龍彦が好んでコレクションしそうなアイテムだなあとしみじみしました。私は古文書をよmので、もし、読めるならこの絵巻や夢記ももっと楽しめるんだろうなあと思いました。
 
 
ということで東京に出てきてこの2展しかまわっていないわけですが、この2展だけで終わっても後悔しないくらい大きなものでした。見られてよかった。神様ありがとう。