この量感が画像では十分にお伝え出来ないのが残念なのですが、

浅倉伸さんの「滅びない・膨満支配)(四十二)」です。このカラメルソース部分の

不定形の網目をどのように制作し、見事プリン部分にフィットさせたかも気になるところです。

それにしてもタイトル…。

 

トロアにマーカーで描かれた「滅びない・誘惑(四十三)」は浅倉さんの過去の作品にくらべて

明度が高く、黄色が中心なのですが、タイトルの意味はよくわかります。プリンの魅惑。

会場にいると次第にプリン脳になっていく気がします。あるいはこれはプリン脳なのかもしれません。

 

カラーがあまりよく出ません。実際は黄色ではなく、もう少し褐色がかった色味でした。

「滅びない・遡行」。浅倉さんに個展で伺ったことがあるのですが、このマーカー作品はすべて下絵などなしで、

下から上など、一定の方向に向かって描くとのことでした。間違ったらやり直しが効かない。

 

それはプリン20段重ねと相通じる世界かもしれません。プリン20段も一段でも失敗すると終わりです…。

 

アツキトリコさんの「プリンネ」。

お洋服もプリンですし、ふたりの少女の髪もプリンカラー。

小さな小さなプリンに添えられた金色のスプーン、絞りだされたクリームは繊細なレースのようです。

白いお皿はプリンの丘。

 

プリン王宮の姫君たちの美しい時間がここには流れています。

…すみません、ほんとうに撮影が下手すぎる。

アツキトリコさんに作っていただいた、黎子ちゃんと紅子ちゃん。

プリン展でもやはり知っている方の作品は気になるもので。

 

 

20段プリン披露の会ではプリン積み上げの儀の助手をなさっていた、

鎌田紀子さんの「おしりプリン」。

「双子のプリンちゃん」

サクランボをトップにつけておめかし。サクランボといえば双子ですもんね。

 

 

 

目の生生しさ、口元の異形感、それなのに妙に可愛いという不思議な鎌田ワールド。

 

おなじくプリン積み上げの儀の助手を務められた小原久美子さんの

「ぷりん棲むところ」。

 

 

明確なコーナー分けはないのですが、

布をつかったプリン作品の近くに、柳田陽一さんの「ぷりんまん」。

プリン星人のマネキンのようです。プリンの虚無僧。

 

その名も、「プリン・ア・ラ・モード1」「プリン・ア・ラ・モード2」。 

シルク製です。

 

アラモードとは流行という意味だったと思いますが、プリン・ア・ラ・モードといえば

流行のプリン、流行のプリンファッション。ベージュとクリーム色、焦げ茶の同系色でまとめられたコーディネートは上品な印象です。

 

「プリンのドレスとマスク」の本気さもすばらしい。

 

なお洋服だけではなく、この衣裳について「プリン国物語」の展示もあり、

作者の想像力の広がりを感じさせます。

(つづく)