『』


『安野モヨコ ANNORMAL』読み応えがあった…。302Pなんだけど体感で600Pくらいに感じる。一番気になっていた家族の軛について、“幻の私漫画” 黄泉夜間」(よみよま)とロングインタビュー、夫・庵野監督からのメッセージで想像以上に苦しく長い戦いだったんだなあと思った。『監督不行届』で庵野監督が妻・安野モヨコさんについて語っておられた時から、いったい家族との間になにがあったんだろうと思っていたんです。
たくさんの連載を抱え、実家の両親と妹の大人3人を養わなくてはならない。

消耗しきった状態からまたマンガを描けるまで回復なさったことに打たれる


最近アプリで『働きマン』を読んで、連載時にも読んでいたけれどその頃よりいまの方がずっと共感できて台詞の一つ一つがおもしろく感じられて、そこから検索で本書に出会ったわけです。

何回も読み返すと思う。


『シン・エヴァンゲリオン』の中で碇ゲンドウが「希望は死に至る病」とキェルケゴールの『死に至る病』の「絶望は死に至る病」をアレンジした言葉を口にする場面があり、

最後に人類の未来を賭けて放たれた槍が「意志の槍」だったことを思い出す。

想像もつかない苦しみから自身を救うのは希望ですらなく、

意思の力なのではないか…。

そんなことを考えてみたりする。

まだ読んでいない『鼻下長紳士回顧録』を読むのが楽しみ。