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(宇部空港 2009年)

 

きのう2回目を観てきました。タイトルは、「劇場版」のあとに、音楽の繰り返しを意味する記号があります。

 

そのタイトルの意味も2回目で腑に落ちました。

 

息子氏と私はそれぞれ別の日に1回目を観に行って、おかげでパンフレットは手に入ったし、アスカの先着プレゼントももらえたのですが、パンフレットが手に入ったことは貴重でした。

われわれ親子は紙もの(本・マンガ・雑誌・チラシ)の類を巣に運んでは散らかしている齧歯類なのですが、このパンフレットだけは大切に本棚に祀ってあります。1回読んでも映画の中の疑問がすべて解けた!という感じじゃなくて、映画の中の絵の一部がここに残っているだけです。

 

映画は…楽しかった。

 

学生時代の庵野監督のことは同期だった島本和彦先生の『アオイホノオ』で読み、Youtubeにアップされていた「じょうぶなタイヤ!」を見て、その圧倒的なアニメ力(というものがあるなら)に驚愕しました。絵が動くとはどういうことか、本能的につかんでいるとしか…。

 

べつのマンガですが、あの手塚治虫先生が夢だったアニメをはじめたときに、絵コンテがあまりうまくなかったというエピソードを読んだことがあります。必要な動きを数少なく描いただけで動く絵が描けるひととそうでないひとがいるのです。絵が下手な自分からしたらマンガ家はすべてアニメの絵も上手いような気がしていたのですが、動く絵とコマを割るということはべつの才能なんだなあと、いろんなマンガを読んできて(マンガの中にアニメに取り組む主人公たちのマンガもあるから)わかりました。

 

どっちもない私からしたら、片方あるだけですごいじゃん!なんですが、庵野先生がなにかで自分はマンガの才能はない、と思ったというのを読んでなんとなく納得しました。マンガでこれをやったらついていけないけど、アニメだったらむしろ楽しい!ということがあります。

 

「シン・エヴァ」は楽しさの連続でした。

 

とにかく話が早い。まどろっこしさが一切ない。序盤でいままでの劇場版3作のおさらいをサラッとやったあとは、いきなり真希波マリの大暴れから入るし、血のような深紅に染まったパリやエッフェル塔が美しいし(背景画はパリも農村も鉄道も電柱も目を瞠る美しさでした)し、メカの動きも画面の色と光の炸裂が楽しくてたまらなかったです。

 

そういう一瞬も退屈させない画面の実験的な表現の連続技に、

かつての同級生たちが敗戦後の日本のようなバラックと配給でそれでも幸せそうに暮らしている農村の光景や棚田の緑、赤ちゃんのようにひとつひとつの言葉を嚙みしめる綾波の「そっくりさん」、書いていてもすべてがたまらん情景でした。

 

息子氏に「やめて!」と言われながらもつい、

 

「これが…恥しい」「これが…照れる」とつい口走ってしまい、「また会うためのおまじない♪」と言って嫌われています。息子氏は綾波のロングヘアが可愛かった♡と喜んでいました。

 

庵野監督がアニメでやれる表現をぶち込んだ感じがたまらなく楽しかったー!

 

最後の場面ですごくすごくいいタイミングで流れる主題歌の「One Last Kiss」、思わず宇部新川駅に行って、駅前のビジネスホテルに泊まりたいと思ったのは私だけじゃないはずだ。

 

映画の終わりに出てきた街を見た瞬間、あ、ここ絶対山口県宇部市だ!と思ったんです。ヤシの木がわさわさしているんですよ?

 

12年も前になりますが、イベントで山口まで出かけた時に宇部空港のヤシの木を見て、ハワイ?と思いました。庵野監督の出身地が山口県宇部市なんですよね。2009年時点では私はエヴァを知らないのですが、その何年か後にエヴァと庵野監督を知って、

 

あのヤシの木のある空港の!と思いました…。

 

余談でした。

 

私は真希波マリのファンで、ミステリアスでパイロットとしての腕前が凄く、あと謎の安定感があり、綾波やアスカのようないつ消えるかわからないような線の細さが一切ないところが気に入っています。たとえ片腕をくれてやっても帰還するような気がします。

 

主題歌が流れる場面でマリと手を握ってこれからの未来へ駆け出すのはシンジですが、

 

初めてのルーブルは なんてことはなかったわ

私だけのモナリザ もうとっくに出会ってたから

 

この歌詞が自然にマリからユイを見ている歌に思えるんですよね。

マリはシンジの父、碇ゲンドウやユイと大学で出会って(超優秀なマリは飛び級で16歳で京都大学に進学した設定。てかエヴァの世界にふつうに京都大学があることに驚きました)、あのメガネはユイからもらったものだそうです。このあたりはネットで知りましたが、

 

調べる前から、マリはユイがすきだったんだろうなあと伝わっていました。

 

いくつもの好きな絵があった今回のシン・エヴァですが、これはあまり誰も行っていないので言わせて。

 

電信柱の美しさがいかんなく発揮されたあの背景画、好き!!

電信柱や電線やトタン屋根の錆は私が好きなジャンルなので、すごくうれしかった。

 

たぶん気が済むまであと2回は行くと思います。