きのう観てきましたー。
無料ですが、要予約でコロナ感染対策としてマスク着用や検温、アルコール消毒はもちろん、最前列の席にフェイスガードシールドが。
この寄せ書きのようなリーフレットの表紙ですが、これは舞台のイメージを表現しているようにも思えます。
客席もいつもは舞台としてつかわれているところの奥の方と、通常の客席で二の字型に配して、役者たちは舞台上手と下手にチェアを| |のように配して、そこに待機(伝わったかしら…)
客席と役者で四角の辺を構成しているような感じ…そしてその中心には
ノモ
が置かれている…。置かれていたり、時に持ち上げられたりしますが、謎の白い球形のなにかで、両手を合わせてふくらませたくらいのサイズです。
お母さんと娘、 コンビニの店員と客、 ジャージの女子生徒、その友達、彼らとあきらかに違う次元に立つらしい謎の男
謎の男の登場からはじまる舞台は、ノモとはなにか
、という非常に抽象的な、しかしいやに説得力のある解説からはじまる。この時点ではSFか?男の妄想か?とよく摑めない。
やがて、洗濯物をたたむ母と娘の会話から、
不在 がそこに在る ということ、
についての劇が拡散していく。
というと難解そうだけど、そこにあるのは洗濯物をたたむ親子の日常だったり、授業がかったるいから放課後に罰の運動をやる方がマシと思っている女子生徒とその友人(ふたりとも罰を受けているのだが、片方はテキトーにやりすまそうと考えている)、カッコいい動きでせっせとおにぎりについて声出しをしているお兄さんと客の日常だ。あの気宇壮大を絵にかいたような男の話とはかけ離れた地味ともいえるパートである。
まったく接点のない3つの場面の6人が、やがてある接点を持っていたことが母娘の会話からわかってくる…次第に舞台が大きな回転をもってひとつに求心されていく(イメージです)。
ホームドラマのようなものを想像していたら全然ちがっていたのですが、
もしコロナがなくて3月に上演されていたら、受ける感じは全然違っていた気がします。不在や会えなくなること、出逢えないことについて、コロナ禍のいまのほうが重ねあわせることが多いので…。
こちらの情報では3月7日8日に上演予定だったのですが、
風のスタジオのイベントのお知らせを見ると、3月から7月まで公演予定だったものがすべて公演延期になっています。
↓は3月のチラシにあった作品紹介です。
劇団Square Circle 第4回公演
『ノモノモノがたり』
作・演出 ひだちなた
おかあさん!
なんでもない毎日を、なんでもないようにして暮らす女の子とお母さん。
意味の分からない会話を続ける店員と客。それコンビニでやるなよ。
体育館のすみっこでだらだらして、こんなどうでもいい日でも楽しい自称高校生ふたり。
そして、世界を始めたらしい男。
なくなるってなんだろう、「ある」がなくなることなのかな、「ない」がやってくることなのかな。
ちょっと重なったり、全然関係なかったりする彼らのお話は、案外簡単に始まって、終わって、
きっとずっとその繰り返し。
キャスト
平愛結花(花巻南高校)
上山聖矢(花巻南高校)
廣田光星(カンザスハリケーン)
阿部光希(盛岡南高校)
佐々木華寿美
河野千乃(白百合学園高校)
映菓子 たルト
スタッフ
舞台監督:中嶋絢信
照明:吉田匠 廣田光星(カンザスハリケーン)
音響:TLFS(Unnamed Chords)
舞台美術:高橋史(劇団ちゃねる)
宣伝美術:小野寺夏央
衣装メイク:ひだちなた 上山聖矢(花巻南高校)
制作:佐藤リョウ 中村佳乃 村上絵梨(フリー)
【日程】
2020年 3月7日(土) 17:00〜
8日(日) 11:00〜/14:00〜 ※公演延期
※開場は開演の30分前、上演時間は約60分を予定
演劇部の高校生が学校の枠を越えて一緒に活動している劇団なので、大人だって転勤や転職、引っ越しによって活動中断があると思いますが、「卒業」「進学」「就職」など、ダイナミックに人生が変わる時期の学生たちにとって、
3月に公演できないというのは相当なダメージだったと思われますが、若い人たちが公演をなんとかやろうと努力して結実したのだと思うと、そこに感動されてもな、というのもあると思いますが、彼らの平均年齢より3倍の年齢の大人としてはそこにこそ感動します。
そして舞台の上演リーフレットにはさみこまれていた風のスタジオ・アトリエ上演のチラシ。こんなにあるんだー。
コロナ禍で一時は静まり返っていた感じのスタジオ・アトリエが活発に動き出したことに喜びを感じます。
自分の体力の配分を考えつつ、できるだけ応援したいと思います。
ではでは♪