F様
いつもありがとうございます。菅原です。
Fさんはもうご覧になっていたと思うけれど、3期常設展を見てきました。
 
今回も攻めてますね!
 
1室は県内ロケーション特集、
 
 
小林源平 黒崎海岸の朝焼け(1966)
 
 
海野経 綾里の海 (制作年不明)
 
※綾里はアヤリではなくリョウリと読みます。美人の里として知られる村だったみたいです。アンジェラ佐藤こと佐藤綾里さんとなにか関係があるかも?
 
 
中津川より上の橋周辺 佐々木一郎 (1986年) 
文化の日 橋本正 (1984年)
地名は出ていないけれど、中津川の向こうに電力塔があって、この風景はあのあたり、と自分がカメラのファインダー越しに見ている気がしてくる。
 
第九十九銀行遠望 小笠原哲二 1935年
 
第九十九銀行とはいまのもりおか啄木賢治青春館のこと。建築家横濱勉の設計で1910年竣工。ほど近い現岩手銀行赤レンガ館旧岩手銀行中ノ橋支店が1911年竣工で、辰野金吾・葛西萬司設計によるもの。
おなじ辰野葛西設計事務所による東京駅の竣工(というより開業?)は1914年なので、なのでと威張ってどうするだが、当時の盛岡のハイカラぶりが窺える…かな?
 
これもどのあたりでロケーションが行われたかがわかる気がする。
 
2室は特集 質感が伝えること のワークショップ的な展示が素晴らしく、広い空間にテーブルを並べた展示は展示自体がインスタレーション化していて2重3重におもしろい。
 
上 サンプル 下 海の雫2012 伊藤正
 
 
上 サンプル 下 積層 泉田之也(2016)
 
 
3室はなぜか好きな絵がずらり、
 
胡蝶の夢(部分) 晴山英 (1989)
 
晴山英さんの作品の中でも一番好きな作品…2枚組の大きな絵ですが、ディティールをひとつひとつ切り取って画像を上げたいくらい素敵…。
 
 
 
赤い低気圧(部分) 杉本みゆき(1975)
いまの作風とはだいぶ違いますが、色彩の好みや言葉にできないものを絵で表現しているところはいまと変わらない気がします。ナスの形といい、裸の女たちが並んでいるところといい、好きな要素しかない絵です。
 
中世の町’71 千葉 勝(1971)
 
この赤い土の色と銀箔の大筆を振り下ろしたようなストローク感が好き。千葉勝さんの作品はみんなすきなので、出ていると喜ぶ。
 
 
古城追憶 高橋忠彌(1961)
この上の部分が彫刻?というくらいに立体的なんですよ。材質には油彩とあるけど、粘土樹脂かなにか入っているの?と思ってしまいます。幻想的な作品ですが、近くで見ると相当立体的でギャップがおもしろい。
 
 
4室は版画と南部鉄器。視覚的な構成が光るのは大きい2室ですが、「捨て」的な部分がないのが素晴らしい。
たまたまですが、全体に好きでいつも見ていたい絵が多くて幸せでした。思わずワークショップも申し込んでしまいました。常設展が生き生きしていて楽しい。
 
きょうは博物館にも足を運んだのでしたが、
倉沢人形歌舞伎の公演があり、倉沢って土沢の近くらしいので萬鐵五郎も子どもの頃見ていたのかなーと思いました。
 
ではまた!