7:30 起きる 定休日の朝にしてはご立派。

 
寝起きはいいのだが、カフェインがないと体が動かない。豆のコーヒーがすべてなくなり、インスタントもなくなったので、スティック式のカフェラテを豪快に4本一気に破って、たっぷりのカフェラテを製造する。豪快に飲んで目をさます。
 
洗濯物をかき集めながら脱衣所に向かい、お風呂をじゃっと洗ってスイッチポンでお湯を張る。昔は薪割りと杉っぱ拾いからからだったのに便利な世の中になったものだ。
 
風呂焚きも雨戸閉めも、2大いやなお手伝いを息子はやらなくていいなー。そのかわりにゴミ捨てがあるけど。昔は生ごみは畑に埋めて、缶とか瓶以外のゴミはなんでもかんでも家で燃やしていたものです。
宅急便を出しにクロネコさんへ。
ちょっと凹む。
 
 
私がよくお世話になるクロネコ営業所には筆の立つ人がいて、オリジナルなイラストによるさまざまな案内ボードがあって楽しい。
 
美術館へ。常設2期がきょうまでだったので、最後にもう一度、
「戦意高揚ポスター」を見ようと思って。
 
それはそうと、東玄関にいる、「道東の四季ー春」、ギリシャ神話風のコスチュームのこの少女の顔を、きょうはじめてじっくりと見た気がするんですが(いつもは逆光や天気が悪かったりしてよく見えない)、
思っていたのと違って、少年っぽいというか中性的な顔立ちだった。長年見ている像なんですけどね…
 
 
 
「小さなデザイン 駒形克己展」は11月3日まで。
もう一回見ようと思っているけれど、きのうは時間が足りないので常設だけ。
 
 
戦意高揚ポスターは18点でているのだけれど、松本竣介のこの一枚、「背後はガッチリと」という家族に比べて、前面のお父さん(たぶん)の複雑な顔。吹き出しに「.……」と入れたくなる。
さらに言うと、お母さんは笑顔だけど、そのとなりの息子は微妙な顔だし。
 
 
2期常設展の華、五味清吉の「人魚」。2曲の屏風仕立て。
人魚なんですが、下半身の人魚部分が遅くはじまり、太もものあたりからうろこが生えはじめ、膝下はひとつにまとまっているよう。ひとから人魚に変化するところなのかもしれない。ゆるくウェーブをかけた大正時時代のモダンガール風の髪形。モデルさんがいたのかもしれない。
 
 
人魚にしてはこの表情がやけに人間らしいんですよ。竹久夢二の影響を考えてもいいような顔と眉である。ちょっとアンニュイ。
 
どうでもいいことですが、私が記憶力パーなのは以前からいっているとおりで、竹久夢二が浮かばず、夢、夢野久作…あっ、竹久夢二!と思い出したりする。「久」と「夢」の字が入っているから…夢野久作は九州でぼうっとした人について揶揄する言葉「夢の久作」からつけた筆名だそうです。
 
ちなみに久生十蘭と夢野久作の全集が自分が通っていた実家の図書館ではほぼ同じところに並んでいたので(著者名で並べるならヒとユでは全然ちがうじゃん!と思うから私の思い込みか?)、
混乱はますます深まるばかりである。
 
 
 
写真クラブ竹の子会に入って6年目。いまだにピントさえ甘い私には、どうやって温泉という湯気でレンズも曇るところで手前の女性はくっきりしつつ、湯気も湯気に曇る女性たちも1枚に撮れるのか謎である。
 
手前の床のくぼみにたまった湯に映った窓の格子や窓の外にあるのであろう、樹木らしい影の部分。ここがなかったら写真が締まらないので、無駄がないなあと。
 
内村皓一(1914~1993)の写真について、おなじクラブの大先輩と話をしたことから、また見たくなってきたのでした。
 
 
「盗女」。額のシワと眇めた目がいい。
 
 
「流浪者」。これも好き。
 
 
ゴトウ・シュウ(1940-2019)の「沈黙の森シリーズⅡ KARMA Y-099-F」
絵の表面の凹凸と霧状に浮かんでいる細かな色の粒がおもしろくて、近づいて横から見て見たりする。
 
2室目には技法や画材、支持体(紙とかカンヴァスとか和紙とか)の様々な組み合わせの大きな絵が集められたようでした。
 
 
 
 
杉本みゆきさんの「深い廊下」。こちらもアクリル絵の具に加えて、岩絵の具、コンテが使われています。夢の中で廊下が海につながって、進めば進むほど深い廊下に気持ちよく沈んでいく、気持ちよさとふとした不安や寂しさも激しさもあるのかもしれません。
 
 
 
澤田哲郎の「黒土」。澤田哲郎は1909年生まれで、松本竣介とも親交があり、藤田嗣治を「オヤジ」と呼び私淑していました。戦後シベリア抑留を経験しています。黒土はロシアの土であると同時に、その下に埋められた戦友達や厳しい寒さを思わせる言葉です。
和紙、墨、顔料といった日本画の画材で細長い2曲の屏風仕立てで描かれているのは抽象画です。澤田哲郎展で見たサムホールの絵を連想します。
 
 
 
千葉勝さんの「対話」(部分)。
油彩に顔料、銀箔という組み合わせが、独特の赤い土色に映えています。「黒土」と「対話」の土の色対決、と勝手に見てしまいます。
 
今回は常設展示室の常設展示室(わかりにくい…)4室だけを見たのですが、これに加えて、萬鐵五郎室、松本竣介・舟越保武室まで見ると常設展示だけで企画展を見たようなボリュームがあり、
 
年々体力が衰えているので、常設展示も2回に分けてみるし、企画展を見にきたときは常設展示は次回にする、というように体力の温存に力を入れている56の私なのでした。
 
しかし以前、解説ボランティアで常設展示室で出会った70代の女性は、秋田から朝早くに出てきて、電車でこれから花巻の萬鐵五郎記念美術館もまわるのだとおっしゃっていて、目がキラッと光っているのが印象的でした。