もう配本は終わったのですが、ネットで買えるようですし、電子書籍版もあるようです。
 
私は境港市の「水木しげるロード」のお店でこの大全集のポスターを発見して、すでに配本は開始されていたのですが、書店予約でずっと取っていまして。
 
その書店もいまはマツモトキヨシ(べつにマツモトキヨシさんには恨みはないが)になり、時の流れを感じる…。
 
でも最後の3期配本はパン屋を始めていた時期だったので、読んでいない巻もありました。掃除の合間に読書タイム…いやきのうはほとんど寝ていて最悪だったのですが、水木先生のマンガを読んだのでまずまずだったということに。
 
「なまけものになりなさい」の意味は、懸命に努力しつづけていると疲れるのでたまにはやすみなさい、というような意味で、
 
凡人の考える、ひたすらゴロゴロだらだらは幸せ、というようなことではなかったもよう。

 

 
この巻は遠野物語に関連して、資料などでお世話になったということだと思うのですが、遠野市立博物館に収められている、
色紙が口絵ページにありました。
 
一瞬、
 
え?こんな読者サービスあったっけ?
 
とサイン入り本と勘違いしてしまいました。ははは!

 

 

 
水木しげる先生が掘り出し物と認めた村澤昌夫さんの『水木先生とぼく』には水木しげる漫画の秘密が描かれているのですが、
 
この緻密な背景は水木先生が撮ってきた写真をもとにアシスタントが背景だけの大ゴマを時間をかけて丁寧に描きこんで、いざ作品を描く段になったらストックからこれとこれ、と抜き出してそこにバンバンと糊付けで人物やほかのコマを張り付けていくという…。
 
時間がない時でもじっくり描きこまれた背景で画の質は落ちないし、暇な時でもアシスタントには仕事を切らさない。さすがの親方気質というべきでしょう。

 

 

 
もう一本は「妖怪大戦争」。映画とのメディアミックスの一環として描かれた作品で、映画とはちがうそうです。映画では神木隆之介さんが主人公を演じていたというのは知っていたのですが、その縁で、解説は神木隆之介さん!
というように解説が毎回ゴージャスな水木しげる漫画大全集。
 
去年ずっと見ていた「いだてん」の「五りん」の神木隆之介さんかあと思う。師匠の「富久」に「絶品でした」という笑顔が最高でした。

 

 

 
ほほほほほ。
「妖怪大戦争」の一こま、戦争が始まるときにあらわれ、戦争を予言するという「件(くだん)」。
 
小松左京の「くだんのはは」で知ったのですが、このくだんはむしろキュートでかわいい。件という字が人と牛であるところから、牛と人間のキメラのような妖怪(なのか?)です。

 

 

この物語の舞台は水木しげる先生の生まれ育った鳥取県境港市で、水木しげるロードも、ブロンズの妖怪たちもふんだんに出てきます。

 

 

 
水木先生は似顔絵がうまかったそうです。あまり知られていないことですが、村澤さんが当時もっていた沢田研二のレコードのジャケットを参考に沢田研二似のキャラクターをつくったくらい…。
 
しかし水木しげる漫画大全集に忌野清志郎と井上陽水が出てくるとは思いませんでした。
 
主題歌のジャケットに描かれたイラストということです。
 
「映画監督・三池崇史が作詞、忌野清志郎が作曲の、映画「妖怪大戦争」主題歌。
井上陽水を助っ人に迎え、ビッグなスケールでLOVE&PEACEを謳い上げます。
カップリング曲は同映画の劇中歌です。
ジャケットのイラストは、漫画家・水木しげるによるもの。
清志郎と井上陽水が独特に描かれています。」
 
おふたりの間から顔をのぞかせているのは、このマンガのマスコット的存在のスネコスリ。まるっこい可愛いキャラクターで応挙や芦雪のわんこのような愛らしさです。
 
この全集の見返しには水木先生が戦争で出兵したブリテン島ラバウルでの戦争体験を描いたものが使われているのですが、「妖怪」と「戦争」の2大マンガを遺した水木先生の偉大さと先見の明のすばらしさを思います。
 
ではでは♪