岩手初感染者に中傷 知事「厳格に対処する」

(河北新報ONLINE 8月1日)

 

岩手県で初の新型コロナウイルス感染者となった盛岡市の40代男性に対する誹謗(ひぼう)中傷、個人を特定しようとする動きが過熱している。国内唯一の感染未確認県だったことで全国から注目されており、県は公式ホームページ(HP)などで冷静な対応を呼び掛ける。
 男性が勤める県内の事業所は、7月29日午後11時すぎにHP上で社員の感染を公表した。インターネット掲示板で社名が取り沙汰されてアクセスが集中し、30日夜にサーバーがダウンした。
 31日までに、県内外から100件近い電話やメールが殺到。「感染した人間はクビにしたのか」「従業員の指導がなってない」といった本人や会社を攻撃する内容が多かった…

 

誹謗中傷ということについて、スマイリーキクチさんのTwitterを引用したニュースも目に入ったので、原文にあたってもみました。

 

スマイリーキクチさんのTwitter

 

先日、岩手県内でコロナウイルスの感染者が確認されました。ネットでは名前などの個人情報を特定する騒ぎになって、この時期に関東にキャンプに行くようなヤツは叩いてもいいという空気が漂っています。本人やご家族は戦々恐々としているでしょう。見つかれば集団リンチに遭う恐怖。まさに狂気の世界…

 

 

 

スマイリーキクチさんの『突然、僕は殺人犯にされた』を読むと、

 

まるっきり関係もゆかりもない人たちが面白半分、またはネットの情報をうのみにして正義のつもりでネットでの誹謗中傷(ブログのコメント欄への書き込みや、書き込みが削除されるとそれをネットの掲示板に書き込む)をやっていたことがわかるのですが、

 

スマイリーキクチさんも驚いていたいちばん粘着していた犯人が関西の超難関国立大学の職員だった、ということ。主婦や会社員、妊婦などなど、なぜ?と言いたいくらいイメージされるネットの誹謗中傷犯人像とは異なるひとたちが一斉検挙され書類送検されました。

 

なにを言いたいかといえば、

 

コロナ第一号の方やそのご家族、会社への誹謗中傷を行っているのは岩手県民とは限らないということです。

 

岩手のひともいるかもしれませんが、むしろ県外の人が多いのではないでしょうか。w誹謗中傷したいひとはネタがあれば食いついて、お祭り気分で騒いでいるのだと思います。

 

ついでのように岩手ではコロナ第一号に対してああだこうだ、という憶測も出ていましたが、裏付けもなく想像で書き込まれたそれらも誹謗中傷であり、岩手県知事の語っている「厳格に対処」の対象になるということを考えてほしいと思います。

 

私自身盛岡市で小さなパン屋を営んでいるのですが、8月1日までで4人の感染者が出たということに対して、カリカリしているお客様はいませんでしたし、

 

岩手県民は真面目だから、なおいっそう、他県に出るひとはいなくなるだろうし、県知事が行動の制限はしないといっても、自粛するひとばかりだろう、

 

という話になることが多いです。会社が公示したことを潔いと評価する声ばかりです。

 

岩手県は北海道のつぎに広い面積を持つ県ですし、日常の移動はマイカーが多く(地下鉄もないですし)、自分をふくめて引っ込み思案というか消極的なひとが多い気がします。それはふだんは欠点に思われていたのですが、コロナ感染の拡大を防ぐためには長所として浮き上がってきた県民性だったと思います。

 

そんな真面目で責任感の強い(いわゆる他罰・自罰でいえば自罰的な人が多い)岩手を、コロナ感染1号に対するバッシングをしている岩手県民、と取られるような記事や中傷を見ると悲しい気持ちになります。

 

なによりも、

 

コロナをネタにして誹謗中傷を楽しんでいるひとがいたら、スマイリーキクチさんの事件から情報開示のスピードは速くなり、法律も変わっているので罰がいずれ当たるんだから!といいたい。

 

人を傷つけてそのことを楽しんでいるようなひとはいずれ罰を受けることになると思います。