こんにちは!

現在「ジブリの大博覧会」で激混み中の岩手県立美術館にやってきました。

わたしは2003年から美術館ボランティアとして常設展示室の解説に月2ペースで入っています。

ここ最近は余裕がなくて月1ですが、年末年始休業中くらい入れるかな、と。


職員駐車場に車を置くときに外の長い行列が見えて、今年が暖冬でよかったとあらためて思いました。みなさま楽しい時間を得られますように。


「ジブリの大博覧会」でお客様は膨大ですが、果たして常設展で解説に参加してくれるお客様はどうかなーと案じていましたが、最初は2名のお客様が、途中からさらに2名の方も加わって、ありがたかったです。

きょうは萬鐵五郎室の解説です。


展示は萬鐵五郎の少年時代から晩年までほぼ年代ごとに構成されているのですが、きょうは解説しやすく、またお客様の立場になっても、興味深い、新鮮な作品が多く感じました。

「静物(旅行カバンと双眼鏡)」(1901-1904)は初めて見た気がします。富裕な家で育った萬鐵五郎ですが、旅行鞄も双眼鏡もハイカラで贅沢なモチーフであると同時に、

萬少年の外の世界への憧憬と冒険心を感じさせて、楽しい。



「静物(バイオリン)」も当時のベストセラー大下藤次郎の『水彩画の栞』(1901)を手本に研鑚していた時代の作品です。



いまもですが、萬鐵五郎が学んでいた東京美術学校(いまの東京藝術大学美術学部)では卒業制作に自由制作と自画像の2点を提出することになっており、

代表作となった「裸体美人」の前に、女学生達の構成画を考えていたということで、

この2点が並んで展示されているのは、ちょっと「ヒュウ!」という気分なのです。


学生時代に描かれた荒いタッチの裸婦像は、世界で同時に起こっていた芸術の新しい波を萬さんも受けていたことを感じさせます。




萬鐵五郎は24で美校に入学し25で「裸体美人」のモデルでもある奥様と結婚。学生時代に長女ふみ(とみ子)を得て、最終的に4人の子どもに恵まれました。

女の子が3人、男の子がひとりで、3人のお子さんの絵が並ぶのも新年らしい微笑ましい構成です。


三陸鉄道リアス線初日の出号に乗ったばかりなので、きょうはこの「地震の印象」が強い印象でした。

企画展でやっている「ジブリの大博覧会」にちなんで、「ハウルの動く城」を連想させる、天地鳴動です。



水墨画も楽しい作品が出ていまして、

これは「地震の印象」と同じ風景「南湖院」。当時有名だったサナトリウムです。萬鐵五郎は結核とノイローゼの治療のため、風光明媚で知られる茅ヶ崎に転居し、

この時代、水墨画と水彩画をよくしていました。



「なにごと」

という作品はこちらが「なにごと?」と聞きたい、マンガチックな表現です。

というような自分も楽しみつつ、お客様にも楽しんでいただく解説ができた気がします。

もし美術館に来て解説の館内アナウンスが聞こえたら、お気軽にご参加くださいね。