『女優であること』関容子(文藝春秋)2004

長岡輝子、加藤治子、丹阿弥谷津子、岸田今日子、奈良岡朋子、吉行和子、佐藤オリエ、三田和代、冨士眞奈美、渡辺えり子、波乃久里子、富司純子。

錚々たる顔ぶれの女優たちにインタビューする関容子さんがとにかく舞台をよく見ていて、話の引き出しかたも多彩で、舞台を見ていないものにも、それ見たかった!と思わせてくれる。




劇団民藝に入団した吉行和子さんの初舞台は代役だった。全国から公募して1位になった三井美奈さん。2位が冨士眞奈美だったほどの美少女なのだが、途中で風邪を引いて声が出なくなる。

初舞台は『アンネの日記』のアンネだった。

しかもこれが三井美奈が風邪が治って戻ってくると交互出演となり、三井美奈目当てに来たお客様にガッカリされるという切ない日々。

民藝では滝沢修と宇野重吉、二人の偉大な先達から影響を受けた。

その後唐十郎の『少女仮面』に出演という振り幅もすごい。

吉行和子さん、岸田今日子さん、冨士眞奈美さんの仲良し三人組は存じ上げていたけれど、女優さん=テレビドラマか映画 とずっと思い込んでいたため、舞台を知らず、ずいぶん損をした気がする。