『重版出来! 13』松田奈緒子 

前巻は中田伯のもがく姿が印象的でした。クールで人に対して無慈悲といっていいくらい何も感じないのかと思われていた中田さんが、壁にぶち当たって御蔵山先生に相談したり、黒沢さんに打ち明けたり、

だんだん人間らしくなってきた気がしました。




今回、マンガにも演技(演出)があるということを考えさせてくれるこのコマ。気の強い女の子の泣き方はこうだろうよ!という見本。

泣き方で思い出したのは「万引家族」の安藤サクラです。泣き方って個性がいちばん出るところだなあと。





黒沢さんが行き詰まっている悪役「ドルク」のキャラ作りについて、演出ということを中田さんにお話ししたあと、


開眼した中田さん。

「ガラスの仮面」のマヤちゃんが「おお…あたしやれるかもしれない」と頬を紅潮させたり亜弓さんが感電したりする場面を連想しました。

中田伯、頑張れとこっち側で応援していますが、マンガのなかのマンガ家さんに声は届くのでしょうか。



もう一人、最初から黒沢さんが見てきた新人さんで、人気作で映画化もされた「ガールの法則」のコミカライズで一度は体もぼろぼろになった東江さんも今回しなやかに成長しました。


前回から安井さんがカッコいい。ドラマは終わっていますが、ドラマティックな場面です。それこそ演出という言葉が浮かびます。


東江さんは自分の持ち味を生かせる職場と発表の場を得て、夢に向かって歩きはじめました。ここのページは一面のピンクで彩色されているようなイメージです。

中田さんはまだ波乱がありそうですが、きっと彼らしい夢の道が待っているはずと思ってまたしばらく次の巻まで復習をしていましょう。


ではでは♪