妖怪茶会

令和元年九月十三日(金) 午後七時〜
徳清倉庫(サムライハウス)

こんにちは!

きのうの夜は金曜の夜にもかかわらず、こんなイベントに行ってきました。

名月を愛で、妖と美に溢れた絵を眺め、怪談に耳を傾ける茶会。茶会〜?


ということで、

出でよジュサブロー懐紙入れ。10年くらい前にプレゼントされたものでずっと持っています。(愛用と言いたいが使う機会はあまりない)

まだあると思っていた懐紙は所在不明だったし扇子も古びて捨てたままですが、



紫檀の菓子切りは備えあれば憂いなしである。黒猫キャラは御舟さんのやつ。山種美術館で昔買ったものですがいまこそお前の出番じゃ。


十三日の金曜日といっても何もなかった、と思っていましたが、買って1年経っていない北斎チケットホルダーが背割れしまして。


もともと妖怪茶会チケットはイレギュラーサイズで収まってなかったんですが、その時。

なんと少し前に頂いていたホルダーにチケットがぴったり収まったではないですか。オバケだし。「ねないこだれだ」のチケットホルダーです。


ナビで近くまで行ったもののどこかわからずぐるぐるしたものの、主催者に電話で聞いてなんとか到着。「鵺」の謡の途中からですが、天井からの無粋な電灯はなく、安全性にも配慮した蝋燭の形のミニライトがキノコみたいに足元に生えていてお座敷へ。

白いソックスで来るつもりが忘れていて残念…でも暗いから大丈夫(そうか?)

遅れたにもかかわらず暗いということは気持ちを落ち着かせるもので。これが煌々と明るい中に向かうんだと気後れ100倍ですよ。

「鵺」の謡は喜多流 菊池幸介さんでした。

その後作家 平谷美樹さんの怪談に移る前にお薄と茶菓(葛焼きで水色の川の流れのような柔らかい菓子だった)が、

着物姿の麗しい佳人に寄って運ばれてきました。

若い頃茶道をやっていたので、

お菓子先、お薄後、お薄は3口半で飲みきる、飲んだ後は懐紙で拭き取る、

ということだけは覚えていて、それだけでよくてよかった…扇子を置いてお茶碗拝見っていっても暗くて見えないのでそこは割愛でイイよね、ということにする。

柔らかいお菓子だったのでマイ菓子切りで正解でした。黒文字も出されていたんだけど紫檀の菓子切りはスパスパ切れてよかった。
遅れて行っても一番前の席が空いている岩手県気質笑。

ということでいちばん前のいい席で平谷美樹先生のお話を聞いていたんですが、個人的にいちばん好きだったのは、

遠野のカッパ淵でコカコーラの赤い缶の上に座っていた赤い小さな河童が人に見られたと察して素早く缶の中に逃げ込んだという知人からの話。

平谷さんは作家になる前は美術の先生だったそうで、世間話みたいに話していても描写が鮮やかで色彩が浮かぶ。でもいたってフランクな調子で怖がらせようという感じはないです。学校で体験した怪異や大阪芸術大学(もちろん私は「アオイホノオ」で山の中にあることは学習済みだ)の学生時代にあったことなど、短い噺をいくつも伺って、あっという間に時間に…。

会場に展示されていた絵の作者のうち、日本画家の笹本正明さん、森天飛さん、松浦シオリさんがいらっしゃっていて、お話をいただく。

そのあと徳清倉庫の廊下を巡り、石庭である中庭(だと思うけど)を眺めたり、分福茶釜を拝見したり、部屋をめぐって絵を見て歩いたりしてこの茶会を満足のうちにお暇したのであった。

カンパーニュのお客様でいつもベーグルを絶賛してくださるお客様が亭主(お茶の席でいう亭主)だった。お茶の先生だったんだ!

劇団TCTの阿部さんに声をかけていただく。先日客演の舞台を拝見した時とは当然だが別人だ。淑やかに挨拶をいただき、何年か前の「バッカーズ」の悪の首領を思い出し役者の振り幅おそるべしと改めて尊敬したのであった。

帰りに物販で「狂斎」(ちさかあや)を買う。暁斎が好きなので、暁斎の伝記的マンガかなーと思って。

妖怪茶会なので妖怪の話をするべきなんだが、自分は色気より食い気の人なので、

お茶はいいなあ、お茶とお菓子付きのイベントがまたないかなーと思ってしまったのであった。スミマセン。

暗い中にわずかな灯りだけで絵を見るのは土佐の絵金祭りのようで風情があるなと思った赤岡町の絵金蔵には入ったことがあるけど、絵金祭りはいつ行けるのかな、そんな連想もしたりして。

ではでは♪