2年くらい前から読もうと思っていた「藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編」。
 
やっと決意して入手し、読んでいます。
それにしてもここに収められているのは70年代〜80年代初めなので50年近く昔のマンガもあるのに、全然古くないのはなぜ。藤子・F・不二雄先生の絵柄は変わらないようで、少しずつ更新されていたのかしら。
 
 

 

 

 
きっかけは2、3年前のもりげき王のMCだった劇団ゼミナール主宰の斎藤英樹さんが、
 
ネタ作りの時に「藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編」を読み返すとおっしゃっていたことです。その前から気になるなーと思っていたのですが、これで読もうという気持ちに。ってそこから2年ってなんだですが。
 
劇団ゼミナールの作品の中でも異色だった「ザ・ペットビジネス」、ストーリーはまったく違うけれど、1巻の「ミノタウロスの皿」を読むとああこういう怖さだなと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
それとは違う話ですが、藤子・F・不二雄先生はご自身カメラ好きで、世界中を旅しては写真を撮っていらっしゃったなあと。いまはデジカメ主流ですが、カメラって不思議と古びた感じがしないんですよね。
 
 
 
今回のもりげき王Bブロック、観客の圧倒的な支持を集めて決勝へコマを進めた斎藤さんでしたが、
 
 

 
決勝では3位に。観客票は2位ですが審査員票が成田紫野(「老唖」もよかった…って自分の好みなんですが)さんと同率3位の11票でした。しかしこうしてみるとこの透明化された審査、すごく残酷なシステムだな…。
 
斎藤さんが以前もりげき王に出た時も審査員から「演劇にオチはいらない」という講評があり、今回もまたそういうお話だったのですが、
 

「藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編」の3巻、アニメーション監督望月智充さんがこんなことをおっしゃっています。

 

「この飛躍がありつつ、スパッときれいに収まる感じ」「最後のひとコマで全部を語る藤本作品のすごさ」

 

 

「藤本作品に感じる最大の魅力はこの、容易に置き換えできないオチのコマの魅力、集約感だなと思います」

 

斎藤さんが目指しているのはこの集約感だと思うのです。

 

川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムには藤子・F・不二雄先生の書斎があるのですが、そこで本やマンガの膨大なライブラリーとともにラジカセと落語のテープがかなりの数あって、SFと落語というと飛躍があるかもしれませんが、

 

言葉だけで目の前に江戸を描き出し、間抜けな与太郎、そそっかしい店子と世話焼きの大家、遊郭の花魁を鮮やかに描き出し、サゲでふっと描き出した煙を吹き消す落語と藤子・F・不二雄先生のSFは重なりますし、

 

劇団ゼミナールの軽妙で洒落た作品にも重なるところだと思います。

 

ではでは♪