2013年からずっと見ているもりげき王ですが、初めは、こんなにおもしろいのになんで空席がこんなにあるんだろう、という感じでした。

今年はチケットが完売して(八芝の綴りチケットがあれば大丈夫!)、毎日3桁の観客という素晴らしさでした。

Bブロックは

2代もりげき王安保美沙さん(劇団しばいぬ)の「Lock ON “G”」(Gは台所などに出る不快害虫じゃありません)、

初代もりげき王斎藤英樹さん(劇団ゼミナール)の「AI芸人」、という王座奪還組と、

小堀陽平さん(bridge)「全能幻想男性のためのエンドレス・スキンケア・サマー」、
成田紫野さん(はかばか)「老唖」という西和賀組、

そしてもりげき王決勝常連の藤原さつきさん(スワンボート)「ハイチュウ人間は夜歩く」。


作品として完成度が高く、余裕を感じさせる斎藤英樹さんの「AI芸人」を推したのですが、

成田紫野さんの「老唖」が自分の好みでした。姉と年の離れた弟、舞台には現れない介護されている父親という家族構成なのですが、

今回販売されていた脚本を買って読んだら幸田文の引用があり、そういうところにも心惹かれました。

「全能幻想男性のためのエンドレス・スキンケア・サマー」は女性のひとり芝居で、Aブロックの藤原瑞基さんとBブロックの柳澤あゆみさんと2組もひとり芝居があって、それがバランスよくABに散らされたというのもすべてくじ引きなのにすごい。

ひとり芝居はひとりしか出ていないので、ひとりでずっと演じ続けるのですが、高架下〜NHKホール〜襟裳岬とひたすら流離う藤原さんに対して、柳澤さんの演じる「あいあい」という女性は外に出ることは出来ず、電話を通じて同じような女性と話し、外にいるらしい夫に苛立ちをあらわにもする。

いま思い出したのですが、

登場人物が寝ている(寝そべっている)、散らかった室内という設定場面はキャストは2人ですが、「ハイチュウ人間は夜歩く」と似てるな、と幕が上がったとき感じました。

もりげき王の15分以内というルールには舞台設置から撤去まで含まれているので、あんまり出しすぎると撤去が大変かも、というようなことを考えてしまう片付け下手の自分だった。

このBブロックでは1位「AI人間」2位「老唖」で、3位の「Lock ON ”G“」がAブロック「家出論(佐藤くんの遺書より一部抜粋)」と観客の投票率(日によって観客の人数が違うから)で競って、

ワイルドカードで決勝進出が決まりました。

ある時まで好きな劇団が出ているブロックだけ見て、決勝はできる限り見る、という感じだったのですが、レベルが上がって全部通しで見ないと損という気持ち…今回は特にそうだったし、私は脚本集が欲しかったので予選ABブロック通ったです(毎回ダッシュで脚本集コーナーに躍り出て買っていたのは自分です。買えてよかった。出してくれてありがとうございます)。

ではでは♪