やなぎみわ展 神話機械(〜9/1) 福島県立美術館

迷ったんですが、10年ぶりの大規模個展だし、福島県立美術館だったら常設展もいいし、ということで行ってきました。


福島といえば高村智恵子の出身地ですが、きのう末盛千枝子さんの本を読見返していたので、なんかご縁があるなあと思ったです。福島に行くからと思って末盛さんの本を読んでいたわけではないのですが。


この美術館のとなりに図書館もあって、パラレルワールドではこの県立図書館で働いている自分という妄想も楽しい。



展覧会のサブタイトルにもなっている「神話機械」は機械の運転時間(でいいのか?機械はふつうは運転するというと思うのですが)が11:00(所要時間15分)からだったので、新幹線を1時間遅らせて自由席で行くことにしました。

幸い自由席はガラガラでいま充電器を駆使しながらブログを書いています。

私は鉄道が好きで(乗り物酔いが激しかった30代まで、鉄道なら酔わなかったというのも大きい)、
「僕達急行 A列車で行こう」の中で鉄道に乗って音楽を聴くのが趣味の青年が出てきましたが、私は鉄道でブログを書くのが趣味なんだと思う。バスはやっぱり酔うしね。



やなぎみわ展に行くから下調べということは一切なく、大原美術館のコレクションや高橋コレクションで見た作品が頭にあるばかりで、

(映画もミュージカルも歌舞伎もとにかく予習しない)

ゲンバでびっくりしたいと思う。そこで揺さぶられたら復習すればいいんじゃ。行ってから失敗だった来るんじゃなかったということもたまにはあるけど、その失望も換え難い体験だと思う。失望したくない損をしたくないと構えていたら揺さぶられることもないだろうとさえ思う。


で、「神話機械」よかったです。

図録にはメイキング資料が載っているんだけど、役者さんが演じた舞台があったようだ。

でも役者の肉体のない、機械たちの蠢く空間は詩的で楽しかった!




機械やからくり人形が好きなので、ただ運転するところを見ていても楽しいけど、機械が告白する自身だった人物たちの共通点を考えるのもおもしろかった。リチャード三世も登場するので、おお、佐々木蔵之介さんが演じた王だなと思ったり、オイディプス王が出てくれば萩尾望都の「スフィンクス」を連想したり、神話と物語の人物たちの告白はなぜか、森村泰昌さんの「自画像の美術史―『私』と『わたし』が出会うとき」展を連想させました。


この髑髏の投石機械がカッコイイんですよー。



写真も舞台の中にいるみたいで楽しかったけれど、動画作品がすごくよかった。

老婆と少女の「ララバイ」と架空の女子高演劇部が演じる「グロリア&レオン」。これが見応えがあって、実際に高校演劇で演じたらおもしろそうと思ってしまった。


映像作品も神話機械も全部見たいと思ったら2時間、常設展までフォローしたかったら3時間くらいみていくといいかなと思います。開館時間は9:30で開館直後はほんとうにゆったりとみて回れます。

ではでは♪