iPhoneが見つかったので、メモに書いて(入力して)あった短歌塾のために作った短歌。短歌というよりタンカとか担架とか炭化みたいな雰囲気笑。




レーズンを葡萄に転生せしめ雨の滝

巨峰の丘マラソンは山梨県山梨市


目の前のゼッケンが背にぴたとつく雨レース

吾の背中も吾の後ろの目玉が見ている


水たまり棒がいっぽんあったとさ

鞦韆下濘泥艶やかに絖絖絖


あのねエノラゲイはねママの名前なの

投下されたる小さな少年黒い雨を降らせぬ


芳一に降りやまぬ蝉時雨

耳を失ったくらいで済むと思うなよと魍魎は


長靴にかたつむりが入っていて

ストッキング越しのぬめぬめ銀色


広重の橋に降る雨をながめつつ30°の線分指定数描くcommand、というようなことも考えつ


しゅううってどう書くんだっけiPhoneに驟雨が降る/じゃあねと告げる、ピ。



推敲はほぼなく、

私は漢字がテキトー(一画多かったりハネすぎたり架空のツクリを入れたり)なので、iPhoneで下書きして、短歌塾では紙に書いたんですが、老眼もあるのでますます正解な漢字が書けませんでした。


鞦韆(しゅうせん/ぶららこ どちらでも。しゅーせんの方が伸びやかで好きかな)なんか何回やってもシンニュウとそこにのっけるパーツがうまくできなかった。文明の利器はありがたいなあ。


牛越凛先生には、


最後の歌の、「ピ」は韓国語で雨なので驚きました、というお言葉をいただく。それはたまたまの偶然だけど、


iPhoneの電話を切る音と雨の雫の落ちる音をダブルミーニングしたので、この偶然は嬉しかった。


私は定型詩が苦手で特に短歌は苦手で俳句の方がまだ親近感があるなあと思っていたので、


穂村弘さんの『水中翼船炎上中』を読んで、あとは和歌では技巧至上主義の新古今集が好きなので、とにかく技巧とか仕掛けとかそっち方向で粗製濫造に走りました(新古今集はもちろん粗製濫造ではないです)。


まーったくわからないので、どの歌がマシなのか下手なのか考えられず、とにかく手書きで紙にかける分だけ書いて提出したなあ。


自分の本職じゃないジャンルってマジ良し悪しがわからんのよね。好き嫌いはあるけどね。