ついに読み終わってしまった。
 
去年…いや一昨年の春から弘兼憲史作品にはまり、『黄昏流星群』『人間交差点』(この2作品はコンビニによくある分厚い特集号で部分的には読んでいたのですが)を読み終わり、
 
『島耕作』を読みはじめた…って係長から会長までの大河マンガなのですが。
 
近所にGEOがあるのでレンタルで読んでいるのですが、いったい何十冊読んだんだろう? いや何百冊?
 
 
連載は課長からで、学生島耕作就活編はわりに最近の作品なので、長い間島耕作に嫌がらせをし続けた今野さんや、典子ママのセーラー服姿の写真が出てきたり、
 
就活編の前の「学生島耕作」では学生運動真っただ中の時代にあって、密かに島耕作に思いを寄せる学生がいたり、その後の島耕作の伏線になっています。いや描かれた順番で言えば伏線じゃないんですけどね。
 

山形出身で、信じられないくらいのお金持ちのお嬢様、最上陶子。頭もいいし性格もいい。自分の容姿に卑屈になることもなく、真っ直ぐにモノを言う。
 
最上陶子はダイエットし整形してご覧のとおりのエレガントレディになるわけですが、
 
島耕作は陶子に限らずけっこう不器量なお嬢さんとも気立てに惚れて付き合っている。不器量な女性として描かれているはずの彼女たちがイキイキして人間味があって、美人のはずのキャラクターたちを凌いで魅力的なのはどうしたことだ。
 
組長の父に男手一つで育てられ、やがて幸せな結婚をした秘書の高市千鶴も素敵だった。比べると銀座の女たちや美人のキャたちは平凡に思えてしまうくらい。島耕作の娘の奈美もまた自分の力で仕事をしていて、島耕作自身より彼の周りの個性的な女性たちの方が輝いている気もする。
 
 

というあたりで島耕作への偏見は消えるのでした。島耕作が課長時代の上司の中沢部長も好きだった。カラッとしていて部下思いで、出世には興味がない。派閥を作らない。カッカッカッと笑う姿もよかったなあ。

 
島耕作の情事と出世を描いただけの作品だと思って食わず嫌いだったことが恥ずかしい。