お手打ちの 夫婦なりしが 更衣
蕪村のこの句が私は全然いいと思えず、
憂いつつ 丘を登れば 花いばら
みたいなきれいな句がすきだったんである。
しかし50を過ぎると、頭のよくない人間にも経験値ってやつが加算されて、
お手打ちも、夫婦も関係ないけどでもわかる。
いろいろあったけれど、いま落ち着いて季節は更衣になり、風が爽やかで日差しがあかるく、生きてるっていいな、とお茶を淹れる、そんな情景が浮かぶ。奢侈禁止令的にお茶を庶民が飲めたのかわからないけど、まあ俳句は時代考証じゃなく情景だし。
きょう、夜行バスで東京に向かう予定だったんです。疲れているからバスの中で眠れるし起きたら東京だし安上がりだし、一石三鳥くらい。
が、眠気に襲われ、起きてからも体が動かず、2分遅れてしまったし、
予約コードの入っているこのiPhoneを忘れて。
帰りの新幹線を予約したスイカビューカードもスマホ。
よろよろとまた家に帰ってきて、でももう休みは取れないから朝の新幹線を取り、1日働いて得た利益が吹っ飛ぶエラーにちょっと情けなくなった。
でもこれをブログに書くことで、だれか救われる人がいると思う。
win-winって私はすきじゃなくて、
みんなが少しずつ負けて、それが全体としてはプラスになっているような世界観です。昔話に出てくるこっけいな失敗がすきというか。
長距離バスに乗り損ねて損かもしれないけど、こうやってお風呂でのんびりしながらブログを書ける安逸。
昔から私はいろんなものを失くしたり落としたりしてきたけれど、
大丈夫!
生きてさえいれば笑い話にできるし、神様がいつかの分を返してやる、といい目にも合わせてくれる、そう思っているから。
ではでは♡