メディアというと、

美内すずえの『魔女メディア』を連想する。『ガラスの仮面』以前、ラブコメから復讐劇やサスペンス、怪奇もの、さまざまなストーリーとヒロインで読者の心を鷲掴みにしていたのですが、いくつかのお話には北島マヤちゃんの萌芽が窺えるなあと。『魔女メディア』にも親戚の厄介者として女中扱いされている内気な少女が、魔女メディアが憑依するや別人のように…。

ほんとうに美内すずえのマンガではいつも憑依する少女がいたなあ。


伝説のダイヤモンドを身につけて、学園の奨学生としてやはり女中のように働かされ蔑みに耐えていたマーラーが女王然として振る舞い、強運によって学生でありながら大実業家にさえなってしまう…

『泥棒シンデレラ』の望は憑依するというより願うとその相手の長所(美貌だとかお金持ちだとか頭脳明晰とか美声とか)が自分のものになるわけだけれど、いつもの自分と違う自分になるということなら同じかなあと。

もちろんみんな最後には平凡でささやかな幸せに還っていくのだけれど。

彼女たちはみんなマヤちゃんのようだ。

マヤちゃんも舞台から降りればいつもの平凡な自分にかえり、劇団のみんなと笑い合ったり、ごはんをたべたり、片思い(両思いだと読者は知っている)に悩んだりもする。

ってそんなことを書こうと思ったんじゃないけど、美内すずえの憑依する少女たちについてはつねづね思っていたことなので書いてスッキリしたのでこれはこれでいいかと。


ではでは♪