岡田美術館から三井記念美術館、そして前から来たかった長谷川町子美術館へ。
いろいろ迷ったすえに長谷川町子美術館にしたのですが、来てよかった。
美術館は赤煉瓦の建物で暖かみがありますが、かたちはスパッとモダン。アニメじゃなく、原作の「サザエさん」のイメージだなーと思いました。
最寄駅の桜新町駅からずっとサザエさん一家がアテンダント。
きょう、長谷川町子美術館に来ようと思ったのは、この「麗子洋装之像」がきっかけでした。
前から来たいと思っていた美術館でもありますし。
麗子の絵は3点あり、いずれも初めて見る水彩画で、1921、22年の作品でした。ちょっぴりいつもの麗子像よりほんとうの麗子さんに似てるかな?会ったことは一度もないわけですが、12歳くらいまではモデルより私の方がリアル麗子だったと思っているので…。
その麗子を母に、劉生を祖父に持つ岸田夏子の作品、「二人の麗子」もよかったです。誰に似ているといえば藤田嗣治の描く女かなあ。若い麗子と絵を描いた当時の麗子、二人の麗子が描かれ、当然ながら劉生の麗子より美人だった(笑)。
諏訪敦、小尾修、藤井勉、磯江毅、生島浩…現代のスーパーリアリズムの作家作品が多く、意外でした。
長谷川町子美術館のコレクションは町子と姉の毬子ふたりが収集したもので、毬子は2012年94歳で生涯を閉じたと帰りに館員の方から聞いて、
なぜ町子が亡くなったあとに描かれた作品がコレクションにあるのかなあという疑問が氷解。
あー、そうか、毬子はもともと洋画家を志し勉強していたんだった、と納得したんでした。まあそれは美術館で町子の略歴マンガを見て知ったのですが。
岡田美術館でも森本草介「セピアの肖像」を見て、三井記念美術館で見た超絶技巧の現代作家作品とリンクするように、
長谷川町子美術館にも超絶技巧の木彫作品があり、神保琢磨の「笑果」は爆ぜたようにパックリ割れた柘榴の枝に蜻蛉が翅を休めている作品で、ほかの2点も発想といい技術といい、超絶技巧展と重なるなあと思いました。
工芸も絵画も、スーパーリアリズムを志す作家が増えているのかなーと。
3館を巡って、共通するものがあったことに不思議な気持ちです。
ではでは♪