「松本清か!」
と息子が呟いた、と思った。
私には弟がいるが、私は文章を考えるときは脳内に活字が並んでいるし、耳で音を聞くと漢字変換する、
と言ったら、
ないわ!
という顔をされたことがある。本好きな人ってみんな活字で考えると思うんですが違うんだろうか。
松本人志みたいな芸名だなあ、と本気で思ったんです。ドラッグストアだった。
ドラッグストアといえば昔の同僚が、英語で薬局ってなんだろうというので、ドラッグストアでしょと言ったら、ドラッグってそれヤバいでしょ、
という今じゃ考えられない会話もあったなあ。薬局=ドラッグストアって中学で習うよね?と思ったけど、
いちおう向こうが先輩なのでテキトーに流した。
ほかに初めて結婚式に招待されたんだけど返信ってどう書くのというので、
返信では、こちらの住所名前の上についている「御」「御芳」は二本線、または寿の字で消す、と答えたら、
「まさかあ」(ニヤニヤ)
と返されて、びっくりだった。てか冠婚葬祭の本くらい一冊読めと思った。彼は自分の常識につねに自信満々だった。いやー、ドラッグストアという表記を見るたびに思い出すわ。
「本屋さんを返してー」
と息子が笑いながら言っていた。
マツモトキヨシの前は書店で、いまは産直のお店になっているところは花屋だった。
花屋と書店と塾は不景気になっても潰れない、
って城山三郎の『素直な戦士たち』で読んだ気がする。ほぼ40年前の中学時代に読んで、そうかーと思ったんですが。
書店に行ってもほしい本がないからAmazonでポチる、花はスーパーで300円前後の束を買う、
こんな私のせいなんでしょうか、いやそもそも本以外の娯楽がふえたってことらしいし、
とちょっと考えて、
でもすぐに忘れる。
マツモトキヨシの裏手にもドラッグストアがあるじつは。
いろいろ考えてすぐ忘れる。だっていろいろありすぎるから。