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月曜日に見てきた、
柴田有理個展「もつれて立つ人」。

個展のテーマでもある「もつれて立つ人」について、なぜかきょう、上野公園をふらふらしている時に閃きました。

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萬鐵五郎「もたれて立つ人」

この絵も柴田有理さんの頭にあったと思いますが、ひとつの絵の中に何本もの脚がもつれ合うように描かれた画面からは、


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「水浴する三人の女」(木炭)をイメージしてしまいます。



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この絵は木炭や水墨画で丹念に構想を練られたあと、100号(だったかな?)の大作に仕上げられたのですが、大きな展覧会に出したものの落選し、

萬さんは絵を断裁してしまい、この女が腕を上げている、脇の部分だけが残されています。
(木炭のデッサンも断裁された部分も、萬鐵五郎展岩手県立美術館会場で展示中です)

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しかし、ここがほんとうに萬さんはおもしろい発想をするよねと思うのですが、

三人の女のうち、両腕を脇を締めて下顎のあたりにぎゅっと握った手を持っていく女(高野文子ファンならオジのかわいがりのポーズを連想するでしょう)は、
「宙腰の人」に発展的解消を遂げ、

頭の上に手をやっているマンガチックなポーズの女もいくつもの油彩画に独立します。

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のみならず、
断裁された画布を再利用して、萬さんは風景画を描いておられる。なんでだ。ただの節約精神なわけないだろ。

今回の「没後90年 萬鐵五郎展」の図録カバーになっている「風景」ですが、これも「水浴する三人の女」のリサイクルなのでした。



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「描こう画工」を見て連想したのは、
「裸体美人」。

山の斜面に裸体で寝てますよね?陽物があるので男性だと思うけど、でも萬さんの絶筆の「宝珠をもつ人」だってアンドロギュヌス的っつーか、ごっつい肉体にごろんとしたおっぱいで、おっぱいがあっても全然女性的じゃないし、
これは柴田有理さんの「裸体美人」だ!

と思ってお聞きしたら、夏目漱石の「草枕」をテーマにした作品展があり、中央の三本の松は「草枕」の中に出てきた木々。

エゴン・シーレがすきだった、とお聞きすると納得する男の体だ。でも裸体美人との類推の線も捨ててませんぜ(笑)。

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ほんとうに隅から隅まで見所なんですが、私は「肉筆の味わい」と「遊び心」に注目します。

ここは有理さんの控え室なのですが、
(Twitterで行きますよ〜と伝えるとできるだけその時間は在廊するそうです)

垂らされたピンクの紙には、

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謎めいた日めくりが…。

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手書きの文字の力を感じます。

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会場入り口に置かれたテーブルまわりのあれこれですが、

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栞が!!

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こんなところまで作品が!!


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向こうの壁に展示されている絵は、遠すぎて見にくいのですが(作家の特権的イジワル?)、
こういう遊び心楽しくていいなあと思う。


ー東京駅から仙台駅まで書いてました〜。書こうと思っていたので、スッキリである。

萬鐵五郎展と柴田有理展、ぜひ両方見て楽しんでくださいませ♡