「重版出来!」(松田奈緒子)、ずっと余裕がなくて、6巻のあと読んでいませんでしたが、やっと7、8巻を読むことができました。
ずっと謎だった中田伯の過去がついに明かされます。伯を犬の首輪と鎖で繋いでいたお母さんの記憶の中の伯。
このコマで号泣しました。
モンスター漫画家中田伯の幼少時代、
公園で火をつけて補導され、どうしてこんなことを、という問いに、
「火がついてもえるのキレイだったよ」。
きらきらした笑顔(現在の中田伯の無表情と隔絶している)。まったく母親の困惑も苦闘も通じていない、
伯のお母さんは私だ。
(「ボヴァリー夫人は私だ」)
お母さんもっとよく見てあげてください。この台詞も何千回も言われましたとも。そんな余裕がどこにあるっていうの!とも思うし、見ていても5秒で姿が見えなくなるし、どうしろというんだああああああ。とは言えない。
唯一の家族である息子がまるっきり理解できない。徒労。絶望感。誰も分かってくれなくても、私はわかるよ。泣いてる場合じゃない伯のお母さんの代わりに私が号泣しました。
当時は何があっても泣けなかった。泣くのは泣くことが許されると分かってるからよねとシニカルでした。
伯視点からはこうですが、お母さんからしたら、伯を家でずっと見ている余裕はなく、働かなくてはならない。犬の首輪と鎖は、伯と自分を守るためのものだった。第一、お母さんが仕事から帰ってくると笑顔でお迎えに行く伯だったのに、いつの間に悲惨な思い出に染められたんだろう。
重たげな一重まぶたや輪郭はお母さんに似た伯。
9巻はまだ発売されていないのですが、伯が登場時に比べて生き生きしてきたように思います。
誰にも心を開かないようで、アシスタントの先輩や先生への淡い尊敬や思慕のようなものも感じました。
9巻が楽しみです♡
ではでは♪