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「大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで) 江戸東京博物館 7/5〜8/28

巡回展がありまして、大阪会場はあべのハルカス美術館 9/10〜11/6 です。

妖怪の性質上、日本画がほとんどであるため、展示替えが多いのですが、

その中できょう見て印象に残ったのは。

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河鍋暁斎「九相図」(河鍋暁斎記念美術館)。

これは8/16〜28までの展示でしたから幸運でした。暁斎、好きなんですよ。

というのもあるし、山口晃展で見た「九相図」も重なりまして。

独立ガラスケースにこの作品だけ収めた展示の仕方からもスペシャルゲスト感が伝わります。




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「針聞書」(九州国立博物館)、江戸時代の人は体の不調は「ハラの虫」が悪さをしていると信じていたもようで、よくこんな虫を考えたなあと感心します。



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「姫国山海録」(東北大学付属図書館)

この本は知らなかったのですが、不思議な虫たちのアイディアが「針聞書」と似ているなあと。

ハラの虫たちの図鑑「針聞書」と違ってこちらは幻獣や妖虫を出没地まで取材…水木しげるの妖怪図鑑にも通じる?

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これは歌麿の幽霊画ですが、浮世絵の美人画で名高い歌麿が妖怪画の石燕の弟子だったと、初めて知りました。

無知なので、なにを聞いても初耳で新鮮さ抜群であるが、

時々自分の無知の深淵に身を投げたくなる〜ってそれは落語の「あたま山」。


坊やが妖怪や幽霊の悪夢に魘されているのを、蚊帳を持ち上げて慰めているお母さんの図なんである。

吹き出しに描かれた化け物たちがマンガ的でそこも興味深い。

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月岡芳年の「清盛福原に数百の人頭を見る図」

芳年のどこがすきなんだろうと師の国芳の絵と比べると、線のタメとノビでしょうか。独特の線を持っている気がします。彫師摺師の仕事なのかもしれませんが、芳年の鼠色や紅色には愁いと気品がある気がして、唐突かもしれませんが、私の中では中原淳一と芳年は同じジャンルなんです。


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芳年では「新形三十六怪撰おもゐつゝら」も素敵でした。「舌切り雀」の最後の場面ですが、三つ目の見越入道の舌のピンクや婆さんの着物の色も柄もニュアンスがあって(意地悪婆さんですが)素敵、

と思って図録でみたら、

違う摺のものがあり、私は断然、ピンクの舌だなあ。

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ここで吉田博展で見た、参考映像の物凄い回数の摺が思い出される。私は美術についても無知無教養なので、千本ノック式でただむやみに展覧会を見ているのですが、

時々、あ、繋がった!と思うことがあり、千本ノック、無駄だが無駄じゃないなと思う。

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北斎もなんでそんなに達者なの、という点で暁斎と並んですきですが、この絵のろくろっ首が煙管からプカーッと煙を吐いているところ、

北斎のほかの絵にもあった気がして、図録を見たら、

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「さらやしき」でした。展示替えで今回は出ていなかったのですが、「ボストン美術館名品展」見たのだと思います。

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縄文の土偶はもともとすきなので、展示されていてうれしい。

古代の縄文人の不安の造形化したものが異形でありどこかユーモラスなものも含んでいる土偶だったということで、大妖怪展に東北の遮光器土偶、千葉のみみずく土偶などユニークな土偶に逢えました。

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しんがりに控えしは「妖怪転生 現代の妖怪」。

「妖怪ウォッチ」です。図録には妖怪ウォッチのキャラクターのイラストですが、会場には妖怪キャラクターのボツ案があり、ツボでした。

江戸東京博物館、久しぶりに訪れましたが、妖怪も幽霊も好んで出やすかったであろう江戸の空気を吸った気がします。