岩手県立美術館常設展示第2期の記事2個目です。
この記事は全てデジカメで撮った画像でできている…いつもよりクリアでしょ?(でもないか)
2室はほかのお部屋に比べてワイドで、 いつも爽快感があるのですが、今回は特に爽やかでした。
中央に展示されているのは、
長谷川誠(はせがわ・まこと1958-)「様相-KEYAKI-1989-2」。木の表皮を剝ぎ取ったような形状の白い樹木は、雪で覆われたようでもあります。
長谷川誠さんの作品展に行ったおり、この作品と同じ技法で作られたような白い切り株も見た記憶があるのですが、その時の作品は美術館に所蔵するのは難しそうな緑のインスタレーションでした。
和紙に箔を漉き込んだようにみえますが、材料を見ると紙粘土、FRP、ガラス繊維他とあります。
内側は樹木の表皮から剝ぎ取られたうろこ状の木片が見えるのですが、これは紙粘土で作られたもの?
渡辺豊重(わたなべ・とよしげ 1931-)「動刻」(2012)
この作品に限らず、今回展示されている作品はすべて画布をそのままの形で描かれています。
旗のようだと思う。
東日本大震災の爪痕や自然の大きなコントロールのできない力を感じるとともに、
応援の旗のようだとも感じる。でもキャンバス地に直接描く作品はそれ以前からなのですが。
海や水の流れや青さ、冷たさを感じさせる作品です。
宇田義久(うだ・よしひさ1966-)「水位1」
波のうねうねは木綿糸で表現されているのですが、静かで冷たくやわらかな海をイメージします。
1つめの展示室にも作品があった吉田清志のこちらは山の絵。
展示室2には山の絵が二つ並び、向こう側には「母子」の絵があります。
「母子」と山の絵の間には、「母子」で描かれた一人娘の葉子さんを3歳で亡くし、画家としてのスランプもあって、そこを抜けて、この明るいオレンジの山の絵なのかな〜と。
松田松雄(まつだ・まつお 1937-2001)の初期の方の作品で、
後年のモノクロームの世界とは違ってまだ色があります。
雪の丘を黄色いマントに身をつつんだ人があるいてゆく、静かな風景です。
この2室には、山や川、樹木、雪といった自然の大きさとともに、森の中に入ったようなひんやりした空気を感じさせる作品が集まっているように思います。