(この図録は無料でいただいたです)
東京藝術大学美術館の「いま、被災地から」展、
岩手県立美術館の2階常設展示室の前で見慣れていたはずの柳原義達「岩頭の女」の前から動けなくなった。
いつもは微笑みを浮かべて堂々と立っている像の顔が、作りたてのような生々しさで胸を突かれた。
ライティングのせいなのか、こちらの気持ちでそう見えたのか。
柳原義達さんの彫刻の女性はスマイルマークみたいに唇の両端を引き上げた笑みを浮かべていて、それがライティングでべつの顔に見えるのは、能のお面のようだなと思った。
日頃岩手県立美術館に展示されているコレクションも、違う美術館で見ると違うふうに見えるもので、知っている(この考え方がすでに間違っていたのだが)絵ばっかりだからサラッと見終わるかと思いきや、舐めるように見てきてしまいました。
救出された作品と文化財レスキューのパネルでは、あらためて傷ついた文化財を修復し次世代に繋げていくことの大切さと困難さを感じました。
こちらは東京国立博物館でやっている「黄金のアフガン展」と関連しているのはもちろん、
東日本大震災の文化財レスキューと、流出文化財を守り、破壊された文化財を復元することも同じことだと思ったのでした。
そんなわけで、1時間の予定がだいぶ長く上野にいたわけですが、悔いはないわ。
今度は仏像関連(?)の展覧会です!

