天気のいい日は青空に映えて形のおもしろさが際立つ岩手県立美術館♪
企画展では「モランディ展」
第1期常設展では、「特集土と手の対話ー加守田章二、伊藤正、泉田之也ー」をはじめ、岩手ゆかりの作家たちの作品が展示されています。
きのうも来たけれど、きょうも来ました(笑)。
きょうは解説ボランティアで、松本竣介・舟越保武室の解説です。
常設展は年に4回大きく変わり、その中でも小さな展示替えがあります。
第1期は4月22日~7月3日までで、展示替えがあったあとは、新鮮さと緊張感があってすきです。
きょうはお思いがけず10人以上のお客様に熱心に聞いていただいたので、夢のようでした。
お客様にすこしでも楽しかった、と思ってもらえたらいいなーと思っています。
今回は竣介の1941年の自画像からはじめました。
たぶん、森村泰昌展で見た渾身の松本竣介自画像が焼き付いていたのだと思います。
解説の最後に、竣介の最後の作品、「彫刻と女」(福岡市立美術館所蔵)と、
「建物」(東京国立近代美術館)を紹介したのは、やっぱり森村泰昌展の影響でしょう。
いつも解説する「Y市の橋」
(こちらは個人蔵の「Y市の橋」)
「鉄橋近く」もすきなので、いつも解説しているのですが、きょうは藤田嗣治の似た感じの絵も紹介しました。
「えーっ」という反応があって、
(ウケたわ!)
と喜んだ私です。アンリ・ルソーの影響を受けた画家たちというテーマの図録からなのですが、
こちらがルソー。
基本的には目の前にある作品についてお話しするのが本当だと思うんですが、
私は資料を多くつかう方がやりやすいです。
竣介のあと舟越保武の解説もするのですが、いつも思っていた、脳梗塞による半身麻痺と視野狭窄などの障害を負った舟越さんが、
その障害のなかで、竣介のことを思ったのではないか、ということもお話しできたのがよかった。
私は萬鉄五郎から勉強をはじめて、
舟越保武さんが回顧展で1年ほど旅に行っている間に竣介の解説をはじめ、
舟越さんが帰ってきた時から、ふたりの部屋でふたりの解説をするようになりました。
でも、やっぱり長年(?)付き合ってきた萬さんのような親しみはなかなか湧かず、
本を読んだり、美術展に出かけたり、ほかの美術館のコレクション展を見たりしているうちに、すこしずつどんな人かわかってきて、
きょうは旧い友達のことを話すような気持ちがあって、自分でもなにか変わったなと思いました。やっと言葉に気持ちが乗るようになったなあと。
いままたすこしずつ常設展示室の作家たちについても勉強していまして、
何年か後にまた、旧友に会ったような気持ちで解説ができるようになるといいなあと思っています。