足利市立美術館
2016年4/9(土)~6/12(日)
足利市立美術館自体初めてだったので、出品作家に期待しつつも、あんまり期待するとこけたときのショックが大きいので、控えめにワクワクしつつ行ったら、
いきなり青木繁の登板である。ステキ!
よく勿体つけて、エースをなかなか出さない美術展がありますが、悲しいことにそういう美術展って全体にダメダメである。最初にバーンと見せちゃった方がいいと思う。
なぜなら美術展に来る人というのは私もそうだけど、最初の方の作品をゆっくり見て、だんだん一暼くらいになっていくものだ。最初にバーン!見逃して欲しくない作品は、まだお客さんが元気なうちに出してね!出し惜しみしないでね!といつも思う。
青木繁は一箇所にまとめず、2箇所に分かれていたんだけど、絵のサイズやつながりを考えた展示だったみたい。
大正期の画家は眼を表現のモチーフによく使っているなあという発見もありました。
与謝野晶子の『みだれ髪』を連想させるような、長く豊かな黒髪をくしけずる裸婦である。
わが岩手県立美術館からは萬鐵五郎と松本竣介が来ていました。不思議なもので、竣介の「黒い花」なんて初めて見たわけじゃないのに、違う美術館にテーマのある美術展に出されていると、いつもと違って見える…。
古賀春江もこないだ神奈川県立近代美術館で見ている【サーカスの景】もまた再会できてうれしいな、と近くでよーーーく見たら、トラが可愛らしくてまいった。なんだろう、ゾウの表情まできょうはよく見えたよ。
福岡にはなんども行っているのに、福岡県立美術館には一回も行ってない。あー、古賀春江がいるんだな、と認識された。
この《猫と毛糸》はがじめて。個人蔵なんだと思う。もう猫の可愛らしさが揃えて伸ばしたうしろ趾ににじんでる。クッションの微妙な歪みとか手前の毛糸のリアルな素材感とか、完璧。
片方のヒゲのない《猫》とどちらがほしいと女神様が聞いたら、《猫と毛糸》が私はほしいです。