私の子ども時代、特に小学校時代の楽しみは「別冊マーガレット」と4年生からは創刊された
「花とゆめ」でした。
どちらにも共通する最大のスターが『ガラスの仮面』の美内すずえと『スケバン刑事』の和田慎二だった。
このふたりが親しいというもの、読者としてはうれしいことで、
『ガラスの仮面』のパロディみたいなマンガに『スケバン刑事』が出てきたり、
ふたつのマンガのキャラクターが絡んでいるコマがあったり、すごくうれしかった。
美内さんは大阪生まれで、和田さんは広島生まれだったので、そういうところでも
気が合ったのかもしれないなあ。
広島生まれ、というのは知っていたのですが、
広島県呉市生まれというのは、広島市立まんが図書館にあった、広島県内まんが家マップで知りました。
広島県ってかなりまんが家を輩出しているまんが県だったのですね。
呉市と海軍さん、戦後は海上自衛隊とのかかわりなどを大和ミュージアムやてつのくじら館で見知って、
あー、和田さんのマンガの海の場面が印象的に描かれているのはこういうところで育ったからなのかな、
と思いました。
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『銀色の髪の亜里沙』。のちの『スケバン刑事』の神恭一郎の原型のような少女が登場するこの長編が私はすごくすきだった。
もう読めないだろうなあと思っていたのですが、ネットで何年か前に手に入れてよろこんだものです。
もしかしたら和田先生が亡くなられたあとに、再刊などもあるかもしれないのですが。
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いきなり友達からの裏切り、両親を殺害され、自分も谷底に突き落とされるというこの展開!
なにがはじまろうとしているのか。とにかく展開がはやくて絵にスピード感があり、
骨太のストーリー構成に引きつけられっぱなしです。そのストーリーはすこし大人になったら、
いろんな名作の換骨奪胎だったんだなあと思って、知らない間にずいぶん勉強させてもらったなあと。
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そして和田慎二のマンガにつきものの、
大変身。
『超能力少女明日香』も、垢抜けない着物に半纏すがたのお手伝いさんと、セーラー服の女戦士といっていい、
超能力少女明日香ではまるっきり別人だ。背までのびちゃう( ´艸`)。
『スケバン刑事』でも、あの麻宮サキが記憶を失って、おっとりした涙ぐみやすい少女になっていたときがあり、
和田先生、ほんとうに変身がすきだなーと。
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吐龍窟からサンショウウオの辿って来た道を探って、激流に逆らって外の世界に出た亜里沙。
この場面、『スケバン刑事』で神恭一郎が雪山で何もかも失くしたのに、
拳銃で木を砕いて、雪と氷でスケボーをつくってそれにのって雪山を滑走してきた
場面を髣髴とさせます。テレビドラマの『スケバン刑事』はまったくのべつものでしたが、
私は斉藤由貴と南野陽子がすきだったので見ていて…でもあの鉄仮面はないよなあと(笑)。
鉄仮面は神恭一郎が若い頃、婚約者の父に陥れられ、鉄仮面をつけられて地下に落とされたときのもの。
いやふつうすぐに発狂しかねないと思うんですが。和田先生の主人公たちは鋼の精神力をおもちだ。
それは呉市に生まれ育ったことと関係があるのでは…ないでしょうか。
『銀色の髪の亜里沙』は復讐物語ですが、最後は出港!という亜里沙の言葉で
爽やかに終わっています。
『呪われた孤島』『朱雀の紋章』など海が出てくる物語が多い気がします。
『スケバン刑事』もことあるごとに、海が出てくるしなあ。
広島から帰って、久しぶりに和田慎二先生のてもちのまんがを読み、
おもしろいマンガをたくさん描いてくださって、ありがとうございます、という気持ちになりました。