広島市まんが図書館は全国で初めての公立まんが図書館です。
比治山にあり、隣(と言っても敷地というものがあり、ピタッとくっついているわけではない)は広島市現代美術館です。現代美術館は野外彫刻も多く、常設企画両方見る場合は3時間はほしいかも…。
きょうは息子がまんが図書館に根っこが生えたので行けませんが、まあ前回行ったからいいか。
舟越保武さんの笛吹き少年がいいポジションにあるのでうれしい。
その年にあったことをまんがにした公募のまんが大賞です。
水木しげるさんがあの世の妖怪仲間に歓迎され、
死ぬまで楽しくまんがを描くぞ!と言っているところだそうです。色遣いといい素晴らしい作品です。
図書館の中は撮影禁止ですが、利用者がうつらないことと、まんがの著作権に触れないように全体的な撮影なら1、2枚ならいいですよ、
と言われて撮った写真。
音のでない撮影アプリでしずかーに撮りました。
著者名あいうえお順です。
専門図書館独自の分類もあり、興味深かった。
なにしろほぼ726.1(NDCのまんがの分類番号)だもんね。
マ10 研究資料
マ29 各国事情
などNDCを補助的につかった分類なので飲み込みやすい。
マ81カトゥーン、風刺画
マ82 画集、イラスト集ではコピーサービスを頼みました。
モノクロで1枚10円でした。
で、この奥のガラス書棚は鍵がかかっていて、昭和初めからの貴重な資料が収められています。
LaLaの創刊は中学時代でよく覚えているつもりでしたが、
「ビューティフルなまんが雑誌」と、大島弓子の100pの読み切り(たぶん「夏の終わりホ短調」)の号まで雑誌の背にそんなコピーが!
しかし私をなによりコーフンさせたのは、
少女コミック創刊号ですよ。昭和43年5月号。
表紙はザ・タイガース。
私はまだ保育園でまんがは読んでいないと思う。
その創刊号に一気に190Pの読み切り「かあさん星」谷ゆきこが!!!
貴重書閲覧票に記入して出してもらって、一気に読みました。
もう小学2年生のお正月号から読んだ「小学2年生」の「かあさん星」の比じゃない、すれ違いのメロドラマ。
こちらはバレエまんがじゃなくて、ただの波乱万丈でした。少女コミックのまんがはほとんどがバレエで1本が古賀新一の恐怖まんがだったのですが。
すみれちゃんとターちゃんの姉妹は田舎(のちに岩手県と判明!)のおばあちゃんと一緒に東京で働くお母さんの帰りを待っている。ターちゃんは3歳の病気が元で口が聞けなくなり、手術代を稼いでいるのだ。このターちゃんがしゃべれない設定も小学2年生ではないなあ。
その後上野のスリが岩手の田舎で泥棒に入り、泥棒が持っていた財布がお母さんにふたりがプレゼントしたものだったため、
お母さんが心配になり上京するふたり。おばあちゃん、止めてあげてー!
東京でお母さんを探しに行ったもののすれ違いで、岩手に帰る途中せすみれちゃんとターちゃんが離れ離れになり、なぜかターちゃんはお金持ちの家でいじめられながら暮らしていて(幼女誘拐になりそうな気がする)、
指名手配のおじさんに火事から助けられ、すみれちゃんと再会し、
なぜか姉妹がまた交通事故に巻き込まれ、
病院で記憶喪失のお母さんに再会。お母さんは院長先生の車ではねられて記憶喪失になったので、ここにいる…ってそんなんありか。
記憶喪失のお母さんはふたりを思い出せないのが苦しくて姿を消す。
そこにフランスで事故死したと思われていたお父さん登場!
親子四人が揃って暮らすように…。お母さんもある日記憶を取り戻しあとはターちゃんの声だけ。
全国の病院に手紙を出しまくるお父さん。ついに手術ができる病院がみつかった。北海道である。
札幌の病院で、輸血用の血が足りなくなり、あと2時間以内にRHマイナスAB型の血が見つからないとターちゃんは死んでしまうと言われる。
家族はみな違う血液型なのでテレビ局に全国放送で同じ血液型のひとに助けてもらうように呼びかける。
その放送を指名手配犯のおじさんが聞いて、ターちゃんのために雪で止まった列車を降りて雪の中を歩いて病院に向かう。教会のシスターが事情を聞いて警察を説得し、ターちゃんに輸血ができることに。おじさん以外にも善意の人たちが輸血に協力。
こうして手術は成功しターちゃんは話せるようになり(リハビリも何もなしで!)、
一家四人しあわせになったのだった。
怒濤すぎる…。
きょうはここに来られて良かった。