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飛び出せ、0番線。   劇団臨時休校   旗揚げ&解散公演  2016年2月27日~28日  3ステージ

作 佐藤まどか 脚色・演出 清水大樹 盛岡劇場タウンホール

きょう見てきたのはこちらのお芝居でした。

いつもギリギリに飛び込んでプログラムもろくすっぽ読まないでいきなり見るのですが、

今回は予習しようと思い、作品名で検索したところ、「企画・脚本・演出・出演全て高校生!2014年度東京都高等学校演劇コンクールを沸かせた問題作」


という文言が飛び込んできました。

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臨時休校 はいくつかの劇団員とフリーの役者によるこの公演のためのユニットです。

ハラハラさせる空気を出すためにあえて一度限りのユニットを用いたのではないか。


舞台は暗がりに十個のボックスが並び、それに凭れるように俯く九人(都合により十人のうち一人が降板したもよう)の人影から始まる。

発車ベルが鳴り響く。

やがて猛烈に焦り走っている女の子のモノローグ。

その隣の男の子もまた猛烈に焦っている。課題が終わらないのだ。

コミカルな芝居が続いた後、いきなり地球滅亡まであと56時間と「先輩らしき存在」が伝える。助かりたいなら0番線(盛岡駅にある設定)へ、という。

地球滅亡まであと32時間、あと8時間と刻まれる時間。そんなことに関係なく三角関係や自意識過剰の男の子など、青春群像が描かれる。



そんな青春群像の中にあって、いまひとつ役の言葉を信じきれないのが最初に自転車をかっ飛ばしていた女の子だった。


やがて彼女は劇を書いており、彼女以外の登場人物は彼女の作り出したキャラクターだったのではないか、という場面が演じられる。

ABC…Jを捩った男女は、作品の登場人物たちであり、破り捨てられた原稿に彼らは物体に化してしまう。


0番線の物語を生きながら、自分のつくる作品の甘さを自己批判する少女は、自身の作り上げたキャラクターたちを倒し、キャラクターたちは捨てられた原稿を必死に拾い、もがく。

最後に原稿を破り、少女は去り、哄笑の声が響く。

0番線の物語における滅びのカウントダウンを告げる「先輩らしき存在」とはなんだったのか。既存の枠のようなものだろうか。

整合性のない、エピソードの断片をつなげたような作品は、メタ学生演劇だからだろうか。すごくおもしろい!というより興味深いという言葉が合いそうなお芝居だった。