きのうの夜、息子と二人で、今年初の盛岡劇場に出かけたのは、
「もりげき 八時の芝居小屋 いわて高校演劇秀作選」を見るためでした。
いく直前までどーしようかなあ、八芝のチケットが入っているチケットフォルダーも見当たらないし、やめようかな~とぐずぐずしていたんですが、
19:40、奇跡のように目の前にチケットフォルダが!って机の上にあったやん。
しかもキーボードの前に。。。
神様が行けとおっしゃっているんだわ、とチケットフォルダを片手に、
息子を車に乗せてGO!
今年度はもりげき八時の芝居小屋、ここまでパーフェクトに通っております。
「ゼンラーマン」「リンゴの秋」「眠る羊」「もりげき王2015」
そしてついに「いわて高校演劇秀作選」であります。
私は演劇体験というものがないのですが、短大を出たての若い頃、
高校生とそう年が変わらないということで、舐められもしましたが、ある意味マスコット的存在の司書のねーちゃんでした。
演劇部の生徒たちも図書室の常連だったので、彼女たちのふだんの姿と、
舞台での姿のギャップにおどろいた経験があります。ふだんは内気で控えめな女の子が、
舞台で、伝説の幕係(という仕事なのでしょうか。その伝説のおっちゃんが幕を上げたり、下げたりするだけで、とてつもない輝きが舞台に加わるという)おっちゃんになって、それがすごくよかった、という思い出があるだけです。
あ、あと仲のよかった先生(同僚なのに先生と呼びあう謎の職場、それが学校!)が
高校から大学まで演劇をやっていて、すごくきれいで、ちょっと自意識の強いひとだった。
これ以上はないな(笑)。
私自身が演劇部にいたなら、いろんなことが見えるのではないかとも思うのですが。
すきな高校生演劇の映画は、中島ひろ子主演、つみきみほ共演の「桜の園」。
吉田秋生の原作を知る友達には評判は芳しくないのですが、
私は中島ひろ子の演技にほれてしまい、つみきみほの存在感もすてきでしたが、
少女達のザワザワした雰囲気や、ちょっとしたやりとりに女子高を感じてしまい、
劇中劇である「櫻の園」も湯浅芳子訳で読んだくらい(吉田秋生ファンの友達が送ってくれました)。
でもあれはリアルな高校生演劇なんだろうか。映画に出るくらいなので、みんな一定レベル以上の演技力だと思われるし、高校生ばかりでもなかったと思うしなあ。
1月6日は『星めぐりの歌をめぐるいくつかの物語』
盛岡市立高校演劇部/作 阿部敦/構成
冒頭、暗い舞台に懐中電灯をもってあらわれた、ふたりの青年が、
先輩と後輩で、先輩は生まれも育ちもこの町で、後輩は子どものころ少しいたことがある、
といことがわかります。
そしておそらく、
東日本大震災の被害をうけたまちにボランティアで来ている作業員であることも。
このふたりのやり取りがごく自然だったので、あれ?高校生演劇なんだよね?
そんなに高校生って感じもしないなあ、3年生かな?と思ってあとでチラシを見たら、
1年生だった。
大きな物語はおそらく震災で亡くなった姉と残された6つ下の妹の物語。
それに宮澤賢治の童話や歌の世界がまじりあう感じ。
8日は『静かなネズミは遠くまでいく』
岩手県立盛岡農業高等学校演劇部
松田隆志/作
2015年高校生演劇 岩手大会で優秀校一席になった作品で、
こちらも楽しみです。
きのう、見終わってホールの扉から出て階段を上がるまでの道に、
いま宮澤賢治の世界を演じた生徒たちがいて、
みんな笑顔とエネルギーが強烈にまぶしかった。
高校生演劇と社会人演劇とプロの演劇ではなにがちがうのか。
同じなのか。同じであるべきなのか、違うことが貴いのか。
いろいろ考えたけれど、結論はでませんでした。
なお、高校生演劇の性格上(?)、ご家族のみなさんも見にきているわけで、
きのうは駐車場が満杯でした。早めに行こうと思います。