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『楽園のカンヴァス』原田マハ著(新潮文庫)


『楽園のカンヴァス』、読み終わった。
読み終わるまで起きていたら、当然の帰結として朝寝坊(笑)。ダメじゃん。



まず、MoMAに行く前に読めって誰か言ってくれよと思った。ってNYに行くのは、

息子を預ける先と、
学校にしか言ってなかったからね。

さすがにそこは言わなきゃまずいでしょ(笑)。



年間200万のお客さんがアンリ・ルソーとゴッホをめがけてやってくる、で笑っちゃった。

私もそうだもん。行くならそこでしょ!みたいな。でも現代アートの展示もよかった。時間があれば、谷口吉生のデザインしたMoMAの建築自体をもっとディティールまで見たかったけど、

MoMAも見たいぜ!

という希望を叶えてもらって感謝です。


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メインは『夢』なんだけど、

もうひとつの『夢』がでてきて、(タイトルは違うけど、よく似ている。

画家って同じモチーフで何点も描くことも多い。


ゴッホの《ひまわり》とかモネの《睡蓮》みたいにいったいどんだけ?というのもあるけれど、

同じ構図、同じサイズで2、3点、違う美術館に所蔵されている、というものに出会うとドキドキする。

あれ?

なんで同じ絵を描いたの?と。

好評だった絵を依頼されてもう1、2点描くというのもあるだろうし、同じ絵を描きたいというのもあるだろうけれど、

アンリ・ルソーの《夢》によく似た《夢を見た》の下にブルー・ピカソ(青の時代、20代前半のピカソ)がダブル・ワークとして埋もれている?

という謎と、


冒頭の大原美術館で監視員をしている、高校生の反抗的な娘を持ち、

燻っている印象の早川織絵が

俊英の美術評論家として活躍していた時代からどこへつながって、現在有名なキュレーターとなったティム・ブラウンと再び会うのか。すれ違うのか。

ハーフの娘の父親って誰なのというのはわりに早く明かされるが、

中学男子の母としては、反抗期の子どものその後も気になるじゃ。そこだけ同じ母子家庭だし。


という、興味に突き動かされ、アンリ・ルソーと洗濯船の画家が催したパーティの描写や、

《アビニョンの娘たち》

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の発表当時の仲間たちからの悪評に笑った。

特にマティス!

MoMAで案外多く展示されていたのがアンリ・マティスの油彩だった。

マティスでさえも理解不能だったもよう。お前の絵はうますぎる、と、猪熊弦一郎に言ったくせに~。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館もMoMAとおなじく谷口吉生さんデザインです。そこもすごく楽しみだった。丸亀市には、2月に丸亀国際ハーフマラソンで行って、コース上に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館があるんでした。アフターマラソンにはもちろん寄りましたよ。

って余談です。

モンパルナスの画家たちのコレクターでもあった詩人・作家のガートルード・スタインも嘆息ばかり。


私は富岡多惠子ファンだったので、『三人の女』(私の若い頃は富岡多惠子訳だった)とか『アリス・B・トクラスの自伝』の作家さだと思っていたので、

彼女の美術評論家・コレクターの一面はこれを読んで知った。ってか『アリス・B・トクラスの自伝』読まなきゃ。

新しい絵は強烈な醜さをもって誕生するんだ、というようなピカソの自負もおもしろかった。

原田マハさんのお兄さん、原田宗典さんの主にエッセイは昔よく読んでいたけど、

マハさんの本は初めて読んだので、またマハさんの美術ミステリーものを読みたい。

んーーー、MoMAにもう一度行く機会に恵まれたら、今度は女性の左手に注目だ!


ではでは♡