フリーデーを挟んで、決勝の朝。
コーディネーターさんの運転するロケバスでマンハッタンへ向かいます。
いつもはムードメーカーのMAXも、この日の朝はイヤフォンをつけて音楽を聴いていた。
何を聴いていたんだろう。
この橋を渡って、マンハッタンまで何回行ったっけ。
この日の朝は渋滞で、クルマがゆっくり進んでくれたおかげで、すきな朝の川を存分に味わえました。
どんな並び方だったっけ。目の前に佐藤さんがいたのは確かだったと思う。
佐藤さんは髪を結い直し続けていた。
そうやって緊張を解きほぐして集中を高めているんだなと思って、いま思い出すと胸が苦しいようである。顔が見えなくて、髪を捻ったり結んだりを繰り返す佐藤さんの指とピアスの耳を憶えている。
もえあずちゃんもイヤフォンで音楽を聴いていたなあ。絶対バクステの曲だと思う。
いつもはみんなで車内でボツボツおしゃべりをしたり(このメンバーといてリラックスできたのは、みんな静かだったから。ギャグの応酬が止まらない、ということもよくあったけど、思い出すと静かだった印象の方が大きい)、笑ったりするけど、
この日はほとんどみんな喋らなかった。クルマの中ではね。降りたらテンションが上がってきて、よく喋った。
ジャンプの前のタメの時間だったんだと思う。
映画「バーレスク」の冒頭のアギレラの声量も凄かったけれど、
物語の終盤、金策に追いつめられたバーレスクの経営者でもあるシェールが、あしたのショーの打ち合わせ、ということで誰もいない暗いステージで歌いだす。これが圧倒的な迫力と深みがあって、
一瞬で主役がアギレラからシェールに変わった感さえある。
この歌を聴いていると、シェールの歌う姿と英語の歌詞が思い出され、
私はまだ終わってない!
と思えるわけだ。
つづく。
ちなみにいまの画像はiPhone5sの音楽アプリを撮ったもので背面は若冲さんです。ケース、けっこう戦ってるね(笑)。
もう一つがクリープハイプの
百八円の恋
転調で音符に言葉をギリギリに乗せてアクセル全開で坂を下り落ちるような疾走感がすごいすき。
終わったのは始まったから
負けたのは戦ってたから
別れたのは出会えたから
ってわかってるけど
世界戦の私専用BGMのようだ(笑)。
あー、負けちゃったなあ。
映画の一子さんみたいに、
勝ちたかった…
と泣きじゃくることもないわけだが、
負けたのは戦ってたから
ってすごいわかる。
戦いのリングに上がらなかったら、たしかに傷つくことも負けることもない。
でも、映画の一子みたいに連打されても、鼻血を出して白眼を剥いても、激しく戦ってみたかった。何度ダウンしても立ち上がって構えて向かって行く。無様でカッコ悪くて情け無くても、
テンカウントをくらうまで、戦いつづけたい。
映画「百円の恋」は安藤サクラさんの舞台挨拶つき試写会に行ったのが、今年の2月25日で、
この時はもちろん世界戦の話なんかないし、
3月の小学校卒業式のあれやこれやとか、台湾のロケとか、他にもロケが1本あったかな。
息子のクラスの卒業進級を祝う会が終わって、はあやれやれ、と思ったところで電話が鳴り、
父が通っていたデイケアで高熱を出して入院が必要、と言われてバーーーッとクルマを走らせて、実家のある町まで。市の大きな病院に連れて行って入院させて、というようなドタバタもあり、
そういうもろもろもすべて戦いといえば戦い。
でも、
「百円の恋」の試写会を見に行く時点で、
一子さん(安藤サクラさんは、一子さん、とさんをつけていたのが印象的だった)役をオーディションで勝ち取ったのは、
戦いたかったから、
という安藤さんとおなじく、
この映画を見たいと思ったことがすでに、
戦いたかったから、
なのかもしれない。
オマケ。
チーム戦では、交互に応援に回るわけですが、
「がんばって、は禁句」
ということにしました。
みんながんばってる、
という以上に、
がんばれ!は弱いひとにかける声援。
私たちの不死鳥JAPANの応援で言っていいのは、
行け!
止まるな!
いいぞ!
すごい!
サイコー!
など高揚する声援だけ!
なおモリー戦の前に、もし私が止まったら、
「立てよ、この負け犬!」
と叫んでもらうことになっていたのですが、
最後まで負け犬!はなかったのであった。