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『重版出来6』松田奈緒子(小学館)

1巻からずっと読んでいます。最初は主人公黒沢さんに惹かれて、

最近は彼女が勤める出版社や本やマンガに関わる様々なお仕事の世界を垣間見られるのも楽しみです。


今回は「校閲」というお仕事を知りました。

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一文字一文字を追ってゆく地道な作業と同時に、

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史実を調べ、正誤をどこまで指摘すべきか迷いながらも、討ち入りの日は大雪ではなかったというメモをつけた百瀬さん。

「作品に触るな」という、黒沢さんが先輩編集者に言われて心に留めている言葉も、作品との距離の取り方に悩んでいた百瀬さんの背中を押したようでした。

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さらに校閲専門の会社があるということも教えられました。

街に貼られたポスターに、違和を感じた安藤堂さん。案の定、女性をアクセサリー扱いしている男性、というこのポスターはネット上で炎上してしまいます。男性からも不快感があがってきています。


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こういう、そのポスターがいまの感覚でOKなのかNGなのか、というところまでフォローしているというのが校閲専門会社安藤堂さんです。

その専門性の高さは、編集者からファンタジーの作者がケルト語で呪文を書きたいんだそうだけれど、わかる人いるかな、

ときかれてすぐにヨーロッパ系言語エキスパートがいる、と対応できるほど。


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なぜ安藤堂さんは校閲専門会社を起こしたのか。

若い日に高校をドロップアウトして、すきな英語を話せるようになりたいとオーストラリアにワーキングホリデーで入り、さまざまな人と出会う中で、

あらためて日本語を母国語として持ち、母国語を奪われたことのないことに感謝し、

大切にしたいという気持ちが生まれたのでした。


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黒沢さんはマンガ雑誌の編集者ですから、担当しているマンガ家さんのエピソードが大きく出てきますが、

そのコミックのカバーデザインをするデザイナー、色校をする職人、目利きの書店員など、多くのプロフェッショナルが支えていることも描かれていて、

本が読めるということの奇跡に思いを致したくなるのでした。