中3か高1に買って、何十回となく読み返した本。
アメリカの中流階級の少女が15歳の誕生日にある期待をもって始めた日記で、
彼女が17歳でこの世を去る3週間前までの、
身も蓋もなく言ってしまえば、
1970年のアメリカにおける十代のドラッグ日記だ。
いまでも芸能人が麻薬で逮捕されるというのは事件だけど、この本をはじめて読んだ頃は、少なくとも、日本ではドラッグは浸透していなかったんじゃないかなあ。
内気で真面目な大学教授の娘が、友達のパーティで回されたドラッグからあっというまに学園内でクスリの売買を始めるようになる。
しかもクスリをはじめてからのアリスの方が生き生きして、今で言えばリア充なわけだ。勉強にアルバイトに、疲れたと思ったらドラッグ。ダイエットに悩んでいたアリスがほっそりして、アルバイトで服もたくさんあるし、デートの誘いはひっきりなしだし、成績も優秀。
一瞬、ドラッグって素敵な魔法かと思うが、すぐにドラッグをめぐるお金と中毒の問題が。彼女を悩ませ続けたのは、クスリをやめても学校中で彼女をドラッグ中毒で、いずれまた戻ってくると待ち構えているドラッグ仲間。
ごく一部ではなく、かなりの割合の生徒がドラッグに手を染め、確実に手に入るルートと密告者をマークしている。
ドラッグをやめてからは、自分のような悩める十代の子を救う仕事に就こうとして、学校の勉強もオールAを目指すだけではなく、
自分で大学の図書館に通ってアメリカの十代と麻薬についてのレポートを書いたりする。
いまでも麻薬に溺れたり、やめようと決意したり、している若い人はいるんだろうか。