きょうは解説ボランティア (萬鉄五郎室)13:00~13:30のあと、
9月の解説予定掲示などの作業をしまして、
14:00~15:30 《フリオ・ゴンザレス展》関連講演会②
「スペイン文化とライフスタイル:20世紀フリオ・ゴンサレスの時代から現在まで
テレサ・イニエスタ氏
セルバンテス文化センター 東京文化部長
こちらを聴いてきました。
フリオ・ゴンザレスの作品、交友関係などについての講演が前回だったので、
今回は楽しくスペインの文化や歴史にふれよう、という講演でした。
クイズ形式で楽しくスペインについて学ぼうコーナー。いや~首都とパエリアとチュッパチャプスしか知らなかった(笑)。
スペインの人口は4500万人で日本より少ないことは想像がついたんですが、
公用語が4つもあったり、中国語についで世界2位の話すひとが多い言語だったり、
(中国は人口が多いので当然ですが)、
スペインの様々な顔を知ることができました。
最初に講師のテレサ・イレスタ・オロスコさんが、
テレサが名前、イレスタがお父さんの姓、オロスコがお母さんの姓、と説明して、
スペイン人は二つの姓を持ち、母の姓を持つことはどういう家族から来たのかを明らかにしようとする、とても重要なこと、と話されたのが印象的でした。
日本は家父長制度が戸籍に厳然と残っておりますからね。子どもは父親の姓のみを名乗り、離婚しても戸籍上は父親の戸籍に入ったままです(笑)。
第1次世界大戦前のスペインは多国籍・多宗教の国で、異なる宗教のひとたちが仲良く暮らしていた、というのがきょうの講演の中でも印象深かったです。
スペイン人の暮らしといえば、シェスタがすぐに浮かびますが、
食事の摂りかたも日本とはかなり違っていて、
8時頃朝ごはん
10~12時 アルマンソ コーヒーとなにか
14時~16時 コミダ 1日で1番重い昼食
17時~19時 おやつ 飲み物とフルーツなど
21時~22時 ceno(夕食)
世界でも夕食が遅い国民なのでした。
でも日本人の食事の摂りかたってどうなんだろう。
学齢期の子どもは学校で12時 お昼(給食orお弁当)だけど、
販売の仕事をしていた頃は朝ごはんはふつうだけど昼は14時~19時(閉店時間!)の間のいつになるかはお客さん次第だったし、
三交代の仕事だともっと不規則だろうし。
日本人はグルメには関心があるけど、日常の食事にはあまり関心がないかも。そんなことを思ったりしました。
日本とスペインの共通点。
日本 長寿世界1位
スペイン 2位
お魚をたべる国
日本 世界1位
スペイン世界2位
テレサさんもオランダやイタリアなど仕事でいろいろ移り住んだのだそうですが、
日本のお魚は質も鮮度もよく、おいしいお魚ライフを楽しんでいるそうです。イタリアも海に囲まれているし、お魚料理もあるし、え?そんなでもないの?と意外でした。
質問コーナーで私はなにしろ中1の息子がいるので、スペインの教育について聞いてみましたよ。
スペインでも学制は日本と同じだけど、大きな違いは遊ぶ時間がたっぷりあるということ。
遊ぶ中で成長することが大切という考え方があって、友達と遊ぶことで人格形成社会性を育てること、
学習も人間も大切という考えなんだそうです。
そんなスペインで、日本のマンガに憧れ日本語を覚えるのみばかりではなく、
自分でマンガを描きたいと考える若者も多いらしい。バルセロナにはマンガサロンがあり、入場者数がかなり多いらしいです。
なんか誇らしいな。日本にマンガがあってよかった。マンガ原画のコレクションを持つ美術館もあるし、マンガの原画展も増えているし(数えたわけではないが)、マンガが誇るべき文化になっているのは間違いないね。
前回の企画展《ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち》ではブルターニュ(ブルゴーニュではない)の自然と文化についての講演が興味深かったけれど、
美術とその国の文化、風土、歴史を楽しく紹介する講演会がこれからもあるといいなあと思った私でした。
スペインに行ったことのあるひとがけっこう多くて、美術愛好家だけじゃなくて、旅が好きなひとや国際交流に興味のあるひとなど、講演を聴きに来るひとがどんどん広がっていくのも楽しみです♪
ではでは♪