私は流行にうといタイプで、このマンガを当時は月イチで買っていた≪週刊モーニング≫で読んで初めて
熊本にはくまモンというアイドルがいるようだ、と知りました。
マンガのストーリーは北九州市のその名も北方大演劇研究会に入部した、
感情があまりなく、ロボットのような受け答えの犬神君が、
劇研の個性的な先輩や犬神君に興味を抱きすぎる変な美人蔵前さん、そのほかの人々と
交流するうちに、
舞台ではじめて悲しみの涙を流す、
というざっくりまとめであります。
私の心を射抜いたのは、マンガの中の犬神君の妄想ですよ。
さて、奇人変人が多い劇研でも、その無表情で何を考えているのかわからない犬神君は
注目の的ですが、劇研の先輩ふたりは、高校まで友達のひとりもいなかった犬神君を、
個性的で、おもしろいことができるかもしれない、とひそかに期待しているようです。
(右端が夏目一葉という、夏目漱石と樋口一葉をミックスさせた名前の先輩で、
『ビルマの竪琴』しか上演しない劇研の部長です。ちなみに理学部)
強引に犬神君の実家についてきて、くまモンイベントを一緒にみたおり、
犬神君が熊本県庁の公務員になりたい理由をきいたところ、
とんでもない男子の妄想が…。
犬神君は、県庁職員同士、食堂で顔を合わせることがあるかもしれない、というドリームをもっていて、
うっかりぶつかったことをきっかけに阿蘇山へドライブに誘い、
楽しい休日のデートを妄想。
私は常識に欠ける人間なので、ずっとこのでかいパフェと鹿児島の白熊を混同していました…。
くまモン、黒熊だろ(笑)。
犬神君はじつはお母さんには距離を置かれていたのでした。そんな犬神君を
ありのままで受け入れてくれたのが、武道の達人のおばあさんでした。
お母さんがあの子も人並みに親に見られたら気まずい写真を隠しているのね、
とうっかり見たら、
くまモン…。
くまモンのイベントをある日見て、すっかり虜になった犬神君は、スケジュールを調べ、できるかぎり見にでかけたそうですが、その気になれば確かにいくらでも出会いの機会はありそうです。
くまモンスクエアのくまモン営業部長のお部屋のスケジュールボードはこのような。
たぶん、作者の西餅さんはこのお姉さんをモデルにしたんじゃないかなあ。
そして近くで見たくまモンは動きにキレがあり、ダンスもすばらしく、遠近感が狂うほど頭が大きく、
体が薄いです(笑)。
『犬神もっこす』の次に連載された、『ハルロック』(やっぱりちょっと変わった女の子の電子工作のお話)が気に入って、そういえば『犬神もっこす』、最後はどうなったんだろう?と思って取り寄せて読んだのが今年の春ごろでしたが、
その時はまさか、夏に熊本でくまモンに会おうとは思いもよらなかったです。