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大浦天主堂の聖母マリア像が見たかったのです。

長崎に来る前は、日本二十六聖人にささげられた天主堂ということも知らなかったのですが、
このマリア像のイメージは知っていました。

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下から見上げる形のマリア像ですが、清らかさはキリスト教信者ではないひとの心にも
訴えるものがあります。

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森美術館で2013年にあった≪LOVE展:アートにみる愛のかたち シャガールから初音ミクまで≫。

その中に出品されていた、森淳一さんの《coma》は、

「長崎の島原の海に生息するリソサムニウムという石灰藻で象った聖母マリア像である。

モデルとなった大浦天主堂のマリア像は、隣接する長崎市内の高校に通っていた森にとって、
日々目にする慣れ親しんだイメージであった。

大浦天主堂は、豊臣秀吉のキリシタン弾圧によって長崎で処刑されたカトリック教徒二十六聖人に

捧げられた教会であり、公開1年後の慶応元年イ長きにわたる迫害に耐えた隠れキリシタンが
ひそかに訪れて信仰告白をした「信徒発見」の場所として有名な教会である。」

「さらには原爆投下という20世紀最大の悲劇のイメージも重なる。人間の愚行は今なお変わることなく繰り返されている。それでもなお、静かにたたずむマリアの慈愛と祈りの精神は、絶望ではなく、ほのかな希望の光を浮世に照らすかのように見える」

(≪LOVE展:アートにみる愛のかたち シャガールから初音ミクまで≫図録より)


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ライティングが石灰藻を透かすようになっていて、もっと神々しく白く内側から光るように見えて、

印象に深く刻まれていたんです。


というわりには図録の解説をよく読んでいなかったのですが、

でも、図録で「二十六聖人に捧げられた大浦天主堂」や「信徒発見」という文字だけ追っても、

イメージを掴むことはできなかったのではないかと。



やっと、


大浦天主堂の聖母マリアに会うことができて、

この作品をほんとうに見ることができたような気がします。