旅先に出ると気が大きくなり、気がつくと本がおもーくなってきた。子泣き爺みたいにいきなりずっしりくるー。
永井隆『乙女峠 津和野の殉教者物語』
津和野には今年の1月に寄ったのですが、安野光雅美術館を見て満足して、
鷗外の実家も乙女峠も行かなかったなあ。二兎社永井愛の《鷗外の怪談》に、鷗外の母峰が林太郎(鷗外の本名)を案じるあまり、隠れ切支丹の弾圧の拷問の呻き声をお前も覚えているはずだ、と迫る場面があるんです。セリフはこの通りではないのですが、大逆事件の弁護士平出修の相談に乗ったり、政府批判を小説にするようなことはやめろ、お上に逆らうものの末路は知っているだろうというわけだ。
「浦上四番崩れ」は、永井愛さんの《鷗外の怪談》の前のレクチャー(盛岡では盛岡劇場でそんな贅沢な講演があったです)から気になって、
永井隆と永井愛は親族ではないですが(たぶん)、永井隆の『この子を残して』という著作もタイトルに、ウッとなったんですよ。そ、それって成田亨さんの原画展で見たような…。永井隆博士(医者だったが長崎で被曝。なくなるまで十数冊の本で平和を訴えた)の著作にインスパイアされたタイトルなのか?
『原爆といのち』赤塚不二夫・貝塚ひろし・辰巳ヨシヒロ・谷川一彦・手塚治虫・中沢啓治(金の星社)
なんかね、著者の並び順がいいよね。マンガの神様も原爆というテーマではオオトリではない、というね(笑)。中沢啓治さん自身が被曝していたことは大人になってから知った。『はだしのゲン』も買いたかったけれど、重すぎるだろう物理的に。
『ながさき原爆の記録』長崎市
長崎原爆資料館の記念に読もうと思って。
『ぼくの絵本じゃあにい』荒井良二(NHK出版新書)
『Pooka+ 荒井良二 日常じゃあにい』(Gakken)
この原画のえほんのこどもたちが泣きたくなるくらいいいんですよ~。
去年に山形ビエンナーレで文翔館の荒井良二さんの展示を見てから気になっていたので。