杉本みゆき展 銀の劇場(~9/3) もりおか啄木賢治青春館
日曜日に行ってきました!
と下書き状態で寝かせてもう土曜日ではないですか。
先週の土曜日に、岩手県立美術館の学芸員のみなさんによる、
新収蔵品の勉強会がありまして、
今回で3回目だということですが、前回解説ボランティアからよかったという感想を聞いた
運営のみなさんも、私たちも聴きたかった、ということで、
解説・運営(両方やってらっしゃる方も多いのですが)あわせて12名で、それぞれの作家の
ご担当からお話を伺いました。
その勉強会の前に、予習のために2Fの常設展示室を見ていたのですが、
特にインパクトが強かったのが杉本みゆきさんの作品だったのですよ。
杉本みゆきさんが京都の学生時代に描かれた作品ということで、いままで美術館でみてきた
杉本さんの作品とはだいぶ趣がちがいます。
絵のタイトルは、「赤い低気圧」(1975)。
ナスの上に、赤い線がすーっと通っています。この女の人たちは
ナスを収穫しようとしているというより、ナスを抱いているように見えます。
なにかで習った、
ゆく春や 重たき琵琶の 抱き心
(いま思い違いかも、と思って調べたら蕪村だった)
のように、ナスの抱き心を堪能しているようでもある。
「水の中の夕暮れ」(1983)
こちらも新収蔵の初期作品です。
7点の作品が展示されているのをみたら、
はじめてこの作家の作品に、入っていけそうな気がしました。
美術館の常設展示では1、2点ずつ展示されることが多いのですが、その作家の個展を見に行って、
まとまった作品を見て、おーー!いいじゃ!となる…鈍い?
勉強会で担当学芸員の方から、
「赤い低気圧」というのが杉本さんのお嬢さんがつけたタイトルで、ほかにもお嬢さんがつけたタイトルのものが多い、というお話を伺って、
勝手に、10歳くらいのすごく賢いお嬢さんが、サラッとつけたんだな、
子どもって直感が鋭いからなあ、
と思っていました。
もりおか啄木賢治青春館で個展があることも紹介されたので、
早く見に行きたい!と思って、さっそく日曜日に出かけた私だった。
横濱勉による、この建物
もすきでして、天気がよくてほんとうによかった。
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いつもは1階の喫茶あこがれをとおって、赤いカーペットの敷いてある階段をあがって2階の展示室に行くのですが、この時は2階の窓につるされている長いポスター(なのかな?)に誘われるように
エレベーターで2階から入ったんでした。
![{DDEA5297-0AB7-43A4-98C6-0E83848BE1DF:01}](https://stat.ameba.jp/user_images/20150707/15/withwitch2/43/d0/j/o0480067713359114110.jpg?caw=800)
こちらに展示された作品は最近のものばかりで、
みずみずしいピンクや水色や、溶け合うような色のハーモニーと、
金や銀の箔が使われていて、透明感や光のかがやきや水のゆらめきを感じさせます。
会場に杉本みゆきさんご本人がおいでになっていて、美術館の専門学芸員の方とお話をしていたところでした。気づいて紹介していただいので、
思い切って話しかけてみることに。
「あの〈赤い低気圧〉、すきです。タイトルをお嬢さんがおつけになったとか」
と伺ったら、
「はい、こちらにいる娘が」
と画家であるお嬢さんもご一緒だったのでした…なんで10歳の娘さんだと思い込んでいたのでしょうか。
大きな作品は一気に描くのですか?とお聞きしたら、小さな絵を描いて、準備してから描いているということでした。
その言葉から帰りにもう一度、小さな絵たちをひとつひとつ見て、会場にある大きな絵と関連しているものを考えたりしました。
つぎに描きたい絵はありますか、と伺ったときに、いつも描きたい作品(だったかイメージだったかもしれない)があって、それを描いても、十分に描き切れなかった気がして、またつぎに描くことになる、というような、
ずっと自分のなかにあるイメージを追いつづけて作品を描きつづけている、というお話をききました。
その時ときうけた気持ちに名前をつけることは難しいのですが、
どこまでもイメージを追っていくことの遠さと高さを思って、1枚の絵の中にあるものをもっと深く感じられるようになりたい、と思ったのでした。
会期が秋まであるので、また行こうと思っています。
以下は現在岩手県立美術館で展示中の杉本みゆきさんの作品と展示室です。
(こちらはフラッシュなしなら撮影OKなので。)