「近代美術事件簿」瀬木慎一
で、こちらがきのう借りてきた本たちでした。
タイトルからしておもしろそう、と思って中をパラパラやったら、
予想通り、藤田嗣治の戦争画のことも、裸婦像問題も、もろもろの事件がまとめられていたので、
おもしろそう、と思って。
「きらめく日本の表現主義」
岩手県立美術館の昔の展覧会をHPでずっとたどってみていたら、
あらー、こんな展覧会もやっていたんだなあ、見ればよかったなあ、というものがザクザク。
美術館は2001年10月開館ですが、2004年に美術館の近所に引っ越してきて、
でも当時は息子がほぼ赤ん坊だったので無理で、2007年ごろからボツボツ見るようになったんです。
オヤコ・デ・アートという未就学児とその親を対象としたワークショップには時々申し込んで、抽選に当たればよろこんでいましたが、展覧会はそんなに見ていなかった。興味がある展覧会の時だけみましょう、みたいな。
最初は年に1、2回かなー。マ・シェリでチケットが当たった時とかね(笑)。
年に4回の展覧会をコンプリートするようになったのはここ3年くらいです。
それは美術館友の会会員になったこともあるけど、
通っているうちにだんだん、全部の展覧会を見ようと思うようになり、
記念講演会もその気になって情報を得れば、貴重なものだということがわかり、
そのうち企画展のギャラリートークはもちろん、映画や常設展示のコレクショントークまで
参加するようになり、気が付けば解説ボランティアに登録し、
月に2度(か1度)解説をやっている現在に至る。
全部見ようと思っていなかった頃の美術館の企画展がすごくおもしろそうで困る(笑)。
でも、その図録が図書館にあったので、よろこんで借りてきたんだ。
日本の表現主義、ということでもちろん萬鉄五郎や岸田劉生の名前もあるけれど、
そればかりじゃなくて、こんな作家もこんな表現もあったんだなーとページをめくっただけで
クラクラする。
これを見てなかったのか―。
ってでも当時は日々是綱渡りだったので余裕がなかったのかもしれないなー。
「日本のダダ」
「成田亨展」青森県立美術館 で ダダ について学芸員さんから、
オプティカルアート という解説があったので、あらためて ダダってなんだろう、と。
ダダイズムの詩人、高橋新吉、と言葉だけはすらすらでてくるけど、結局なんなの?と
訊かれたら全然堪えられない私なのだった。
でもこれも「日本の」という枕詞がついているのよ。
そしてとうとう借りてきてしまった。
高村光太郎訳の「ロダンの言葉」、じつは1ミリも読んでいない。
でも静岡県立美術館の「ロダン館」に行って、はじめて、ロダンっていいじゃ~と思ったあたりから
興味が出てきていたんです。それまでどう思っていたか。うーん、なんとなく、名作ってすきじゃないな、みたいな(笑)。ただ、彫刻の森美術館でバルザックがあまりに凄いので、あれ?けっこうチャレンジャーなのかな?と思って好感をもったです。
思いがけず、岸田劉生の文章もあって、これがすきなタイプの文だった。
世界教養全集。
昔はこういう全集が中流家庭の応接間とか書斎とかにずらっとあったのでしょうか。
私は本のない家に生まれ育ったので(本はないが図書館のある町に生まれ育ったのでセーフ!)、
本が最初からある環境というものが全然想像できない。
いとこの家も、参考書や問題集は転がっていたけど、大人の人がよむハードカバーの
本は一冊もなかったと思う。
当時の物価から考えたら、350円はいまの5、6000円くらいかな?
森茉莉が1か月1万円の貧乏贅沢生活をやっていたころだ。