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成田亨展 青森美術館会場玄関に展示してあった「ネクスト」の像。


会場内にはネクストのマスク(なかに金ぴかでまさしくブランクーシなものもあって、彫刻家としての成田亨さんを思わせます)やデザイン画が展示してあったのですが、こちらは玄関に。


玄関というか、青森県立美術館の1階、地上にある入り口の自動ドアをあけて入るとある、
大き目のスペースですね。そこはいつもなにか、企画展の展示がお出迎えしてくれる印象です。

青木淳さんによる、青森県立美術館の設計ラフだったか設計コンセプト、設計案の展示だったこともあります。

で、こちらは「実現しなかった企画案2」との関連展示なのですが、

角孝政さん…え?私この方のお名前、絶対知ってる。
あれ、もしかして…。


811-1246  福岡県筑紫郡那珂川町西畑1466-2 不思議博物館(角邸)



1年くらい前だったか、息子がiPadで調べていた「不思議博物館」の館長ではないですか。
なんで息子が福岡にある不思議博物館を調べていたのかもわからないけれど、

このなんでも忘れる私があれはもしかして、と気づいたのも謎です。

こちらのネクストは、実現しなかった企画案で、1992年頃、バンダイビジュアルに新番組の
企画として依頼されていたそうです。

残されたデザイン画のプロポーションに従いつつも、過去の成田作品の造形的特徴を加味し、ご遺族の両省と監修のもとに制作されたという経緯があります。

この企画展は青木さん(建物を設計した青木さんとはべつで、学芸員の青木さんです)が17年前、
まだ準備室の段階だった青森県立美術館に福岡からやってきた当初から温めていたものですが、

そのころまだお元気だった成田亨さんの日野のアトリエに通うことからいまにいたるまでの
成田家との交流があって実現できたことのひとつであろうと。

美術展の企画がどのようになされるものか、どのくらいの準備期間を経て実現にいたるのか、
(あるいは実現できなかったり流れたりするのか)私は何も知らなかったのですが、

17年といえばアメリカの17年ゼミが卵から孵化して一斉に鳴きだす、その時間だなあと思ったです。



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こちらは成田亨の初期の作品で、「唄」。


この腰の倒し加減は、彫刻ですから360度まわってみるといっそう深くしみます。

図録ではもちろん実物大にはできないのですが、けっこう高さのある彫刻で、
私は初期の成田さんの作品ではこれがいちばん気に入ってしまったです。

現実にはありえないポーズだそうですが、それにリアリティを持たせられるのが、
人体表現を学ぶために西洋画科から彫刻家に転科して、

「地面から立ち上がるような、構造的なデッサン」

を見につけようとした成田さんなのでした。



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佐藤忠良の彫刻作品にも思いっきり腰を傾けたものが多いですが、


鎌倉時代の仏像や「ジョジョ」も腰を思いっきり傾けていますが、なんだか彫刻が腰でできているような
気すらしてきました。


成田さんの彫刻を見る前に、箱根彫刻の森美術館で多くの彫刻家と作品をみてきたのも、
きっと作品理解の補助線になったのでは~と思う私でした。そのために見にいったわけじゃないんですが、

わりにこういうふうに、直前にみた美術展がつぎに見たものの補助線になっていたりすることがよくあります。